晴海感覚がよみがえる

だが、もっと面白いのは、小さなブランドの製品たちだ。

スマートフォンと連動して、磨き残しがチェックできる子供用歯ブラシ、イヤフォンがからみにくいシリコン製リール、はたまた「官能小説と連動したウエアラブル端末」といった電子アダルトグッズまでリリースされている。
こういう、メジャーとマイナーが交じることによる縁日的魅力は、自動車ショーでは得られないものだ。

ふと思い出したのは、その昔晴海で開催されていたエレクトロニクスショー/全日本オーディオフェアである。前者は今日のCEATEC JAPAN(シーテック ジャパン)、後者は今日のA&Vフェスタの前身だ。
ボクが足しげく通っていた1980年代前半は、光ディスク時代の前夜だった。

ビデオディスクは、「溝有り」「溝無し」の接触針式、そして後年最終的に市場を制覇する「レーザーディスク」のいずれも試作品が並立し、どれが主導権を握るか、中学生だったボクは固唾(かたず)をのんで見守っていたものだ。
コンパクトディスクのブースでは、技術者がディスクを靴で踏んづけて「ほら、このとおり大丈夫」などと、ガマの油売りが刀で自分の腕を切ってみせるようなパフォーマンスまで行われていたものだ。

フォルクスワーゲンのブースに戻って「例えばフォルクスワーゲン買ったら、家電は全部LGでそろえなくちゃダメなんですか?」とジョークを投げたら、「現段階ではそうです」という答えが返ってきた。

スマートカー/スマートホーム連携で、自動車メーカー&家電ブランドで国の垣根を越えた提携が模索され、VHS対ベータ的戦国時代に突入するのか、それとも意外と早く統一規格ができるのか。はたまた、各社の規格に対応できる謎のコンバーターが通販経由で買えるようになるかもしれない。
 
このあたりは、前述の「溝有り/溝無し/レーザー方式」のようで、なんともワクワクするではないか。そんなことを考えながら、有名なストリップ通りでネオンの滝に打たれたボクであった。

(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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