BMW M4 GTS(FR/7AT)
すべてはサーキットのために 2016.04.15 試乗記 最高出力は500ps。停止状態からわずか3.8秒で100km/hに達し、ニュルブルクリンクの北コースを7分28秒で駆けぬける“ロードリーガル・レーシングカー”が「BMW M4 GTS」の正体だ! スペインのカタルニア・サーキットからの第一報。スペシャル中のスペシャル
BMWが創立100周年を迎えるという記念すべき今年は、「M3」のデビュー30周年にも当たる。ちょうど30年前、1986年に登場したE30 M3は、その“レーシング”ないでたちが大いにウケて、M3という名前を世のクルマ好きの心に刻み込んだ。
以来、M3はBMW Mの代表選手として、ブランドをけん引し続けてきた。E36からE90まで3世代続いたM3は、現行F30型に至ってクーペとセダンとを区別して呼ぶこととなり、M3クーペの系譜はM4クーペに引き継がれている。
そんな歴代のM謹製高性能クーペに、それぞれ、スペシャルなモデルが存在していたことをご存じだろうか。E30の「エボリューション」&「スポーツエボリューション」、E36の「GT」、E46の「CSL」、そしてE90の「GTS」がそれだ。
日本市場へ正規で輸入されたのは、このうち、E46のM3 CSLだけだったから、一般的にはあまりなじみのないモデルたちかもしれない。けれども今回、最新のM4にもGTSが設定され、日本でもわずかながらも販売が決定したことで、過去のスペシャルなM3たちも再び日の目をみることになるだろう。すでに、E30 M3エボリューションあたりの取引相場は急騰しつつある。
2015年秋の東京モーターショーでワールドプレミアを果たしたM4 GTSは、世界限定700台、日本国内30台という貴重なモデルであり、お値段2000万円級(日本での希望小売価格は1950万円)にも関わらず、他国市場においては既に完売御礼だという。
ヨーロッパ市場では、販売前にも関わらず、プレミア価格でもいいから欲しいという人が続出しているらしい。ここでもまた、クルマの詳細を記す前ではあるけれども、欲しいと思っているなら読む暇を惜しんでBMWディーラーへ問い合わせてみることを、恨まれる前にオススメしておく。