丸文字が日本車を光らせる!?
車内のグラフィックで最も衝撃的だったのは、2005年にフランクフルトモーターショーで公開されたスマートのコンセプトカー「クロスタウン」である。
シート地はもとより、ダッシュボードやドアトリムにも、グラフィティー(落書き)風文字がちりばめられていた。特にドアのものは、一瞬「不届き者による器物損壊行為か?」と思えるほどの出来だ。
そんなことを考えていたら、欧州の都市と羽田を結ぶ日系航空会社の化粧室で、写真(左3枚目)のような貼り紙を見つけた。
“KAWAII文字”である。かつてボクが中学高校時代、こうした文字は“丸文字”と呼ばれ、年上世代が眉をひそめたものだ。しかし今や、日本を代表するエアラインで使われている。
本エッセイでも何度かリポートした、パリの日本ポップカルチャー見本市「PARIS MANGA&SCI-FI SHOW」は、およそ8万人の入場者数を誇り、KAWAIIカルチャーを愛好するフランスの若者でごったがえす。
自動車にまつわる規則は各国の規制でがんじがらめなので難しいだろうが、例えば、KAWAII文字で「P R N D L」と記されたセレクターレバーを持つ日本車ができたなら、国内以上に海外の市場でちょいと話題になるのでは? などと空想している。
(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=トヨタ自動車、大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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