ジャイアント・インパクト再び

マリオは行く先々でジャイアント・インパクトを発生させた。かつて『CAR GRAPHIC』と『NAVI』を川口の木造ボロアパートに全巻保存し、床が抜ける寸前に至らせた重度の自動車ヲタクは、欧州で見るもの感じるものすべてに震撼し嗚咽した。

あれから7年。あれだけの刺激を受ければ何かが変わるだろうと期待したが、彼はいまだ大進化の気配を見せていない。むしろ、よりスバルヲタク度を高め内に引きこもったように見える。ひょっとするとマリオにとって欧州自動車文化のジャイアント・インパクトはジャイアントに過ぎ、ショックでバクテリアに退化したのだろうか? 今後の突然変異に一縷の望みを託したい。

一方私は、思いがけず生涯2度目のジャイアント・インパクトに見舞われていた。それは、借りたレンタカーがたまたま「フォード・フォーカス エステート 1.6ディーゼル」(5MT)だったことによって発生した。
我々はこの、欧州自動車文化における吉野家牛丼(並)のようなクルマで、ドイツからオーストリア、イタリア、スロベニア、クロアチアを巡った。約1週間で走行距離は2000km余り。荷物満載のままニュルブルクリンク北コースまで走ったのである。

ポルシェ本社にて、その看板に限りない憧憬の念をぶつけるマリオ二等兵。
ポルシェ本社にて、その看板に限りない憧憬の念をぶつけるマリオ二等兵。 拡大
マリオは初めてのアウトバーン走行に打ち震えた。
 
マリオは初めてのアウトバーン走行に打ち震えた。
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現在のマリオ高野。ヘアスタイルは脱皮したが中身は退化傾向にあるように思える。

 
現在のマリオ高野。ヘアスタイルは脱皮したが中身は退化傾向にあるように思える。
	
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清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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