磨耗したタイヤとの比較も体験

すでに市場で実績を重ねて来たモデルということで、北海道では最大、日本全国でも第3位の面積を誇る、オホーツク海に面したサロマ湖にほど近いサロマテストコースで開催された試走会には、未使用の新品と共に、ある程度の摩耗状態が再現されたタイヤも比較のために用意されていた。

早朝にスタートした試走イベント開始時の気温は、マイナス11度。前述のように、そもそも「氷上で滑る理由はタイヤと路面間のミクロの水膜」ゆえ、ここまで気温が下がるとグリップ力は意外にも高い。
4WDモデルであれば乾燥路面上と変わらないアクセルワークでも、特に手こずる感覚もなく発進が可能。当然、舗装路同等とまではいかないものの、こうして安定した走りの感覚が得られるのは、新品でも“摩耗品”でも同様だった。

そんなシーンを筆頭に、街乗りを想定したごく穏やかな走りの範囲では、“摩耗品”でも極端にグリップが低下した印象は抱かずに済む。一方で、走りのテンポを上げ、ハンドリング路を新品と同じペースで駆け抜けようとすると、特に下り坂などの後輪荷重が抜ける場面では、より早いタイミングでリアが外側へと流れ始め「おっとっと……」といった状況になりやすかったのも確か。

残り溝深さの変化による影響が、やはり“夏物”より大きいのがスタッドレスタイヤなのだ。今回の比較体験は、あらためてそんなことを教えてくれることにもなった。

(文=河村康彦/写真=東洋ゴム工業)
 

今回のイベントでは、写真のように磨耗して溝の浅くなったスタッドレスタイヤでの試乗も行われた。
今回のイベントでは、写真のように磨耗して溝の浅くなったスタッドレスタイヤでの試乗も行われた。 拡大
外周路を走る「アウディA4」の4WD車。路面がぬれていなければ、特に4WD車では通常の路面と変わらぬアクセルワークでも発進することができる。
外周路を走る「アウディA4」の4WD車。路面がぬれていなければ、特に4WD車では通常の路面と変わらぬアクセルワークでも発進することができる。 拡大
パイロンスラロームや定常円旋回のコースなどでは、タイヤの磨耗度合いによる挙動の差がはっきりと感じられた。
パイロンスラロームや定常円旋回のコースなどでは、タイヤの磨耗度合いによる挙動の差がはっきりと感じられた。 拡大
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