自動運転時代を見据えたコンセプト

説明会では、自動車のシートに関する技術革新についても話があった。そのひとつが「シーティング・デモンストレーターSD15」と呼ばれるものだ。将来の自動運転化を見据えたコンセプトのシートで、4つのシートそれぞれが勝手にポジショニングしたり、リアシートを全部倒したり、フロントシートを全部前に出したり、対面にしたりなど、あらゆるシチュエーションへの対応を想定している。内田氏いわく「そうすると薄型にしたり軽くしないと動かなかったりするので、そこを技術革新で可能にしていきます」とのこと。さらに、表皮にレーザープリンターで影などを模様付けすることで、普通のシートにもかかわらずスポーツシートに見せるといったユニークなアイデアも採り入れられている。

もうひとつ、このSD15のポイントとして挙げられるのが安全だ。「事故が起きたときにどのポジションだと一番安全かということが重要。これからセンサーなど考えなければならないが、例えばシートバックが倒れていたり、いろいろな方向に向いていたりした時の安全性を確保するために、衝突時には一番安全な方向にシートが向くということを考えている」 そのほかにも、シートのさらなる軽量化技術や、新素材など、多くのコンセプトが語られた。

前述のとおり2016年秋に独立してアディエントになる同社。内田氏は「今後は自動車に限らず列車や飛行機なども含むシート事業を手がけていく」と語る。さらに今後の日本市場について、「(われわれの親会社は)アメリカの会社なので、日本のメーカーがいいクルマを作ってくれないとクルマが売れず、われわれの売り上げも落ちてしまう。そうすると、日本にオフィスがあっても仕方がないと手を引かれてしまう。絶対にそうならないよう、いいクルマを作ってほしい。そのためにわれわれはいい部品を供給していく」と述べたのが印象的だった。

(文と写真=内田俊一)
 

「シーティング・デモンストレーターSD15」
「シーティング・デモンストレーターSD15」 拡大
新会社「アディエント」となってからの将来について語る内田氏。
新会社「アディエント」となってからの将来について語る内田氏。 拡大
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