その体制は、まるで小さな自動車会社

オーテックジャパンは、非常にユニークな会社だ。日産の子会社として、日産の福祉車両(ライフケアビークル)やカスタムカーを年間5万台規模で生産している。自動車メーカーの生産委託を担う会社は他にもいろいろあるが、オーテックジャパンほどユーザーに親しまれている会社はないだろう。

創立は1986年。今年の9月17日に30周年を迎えた。特装車の専門会社としてスタートすると、イタリアの名門カロッツェリアであるザガート社との共同開発「オーテック ザガート ステルビオ」(1989年)など、魅力的なカスタムカーを数多くリリース。90年代には現在の日産ミニバンの人気シリーズ「ハイウェイスター」の原点となる「ラルゴ ハイウェイスター」を生み出す。その発展形である「ライダー」シリーズは、今もオーテックジャパンが生産を担当している。さらに「NISMO」シリーズの量産もオーテックジャパンの仕事だ。

一方、福祉車両(ライフケアビークル)も同社の看板のひとつ。日産で販売される福祉車両は開発から生産・販売&アフターフォローまで、オーテックジャパンが一手に担っている。

日産とは別会社であるという独自性を持ちながらも、日産グループの一員として連携を保ち、その上で少量モデルの開発・生産のノウハウを持つ。そんな特徴があるため、湘南にある本社工場には、板金や金属加工、組み立てといった工程だけでなく、ハーネス製作やシートの縫製部門、さらにデザインやエンジン実験といった開発部門までがそろう。開発から生産まで行える、小さな自動車会社ともいえる体制となっているのだ。

神奈川県は茅ヶ崎に位置するオーテックジャパン。写真の事務本館は、直6エンジンのシリンダーブロックをモチーフにデザインされたという。
神奈川県は茅ヶ崎に位置するオーテックジャパン。写真の事務本館は、直6エンジンのシリンダーブロックをモチーフにデザインされたという。 拡大
工場内の架装ラインの様子。福祉車両も、「ライダー」などカスタムカーも、ここでユニットや装飾パーツなどの組み付け作業が行われる。
工場内の架装ラインの様子。福祉車両も、「ライダー」などカスタムカーも、ここでユニットや装飾パーツなどの組み付け作業が行われる。 拡大
福祉車両に組み付けられるスライドアップシートやリフター、スロープなどのユニットも、同社で内製されている。
福祉車両に組み付けられるスライドアップシートやリフター、スロープなどのユニットも、同社で内製されている。 拡大
オーテックジャパンには工場だけでなく、デザインスタジオやエンジンの実験施設なども備わっている。
オーテックジャパンには工場だけでなく、デザインスタジオやエンジンの実験施設なども備わっている。 拡大
日産 マーチ の中古車
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