その名も“スーパーエリート号”
納車日。ルンルン気分でクルマを引き取った帰路、首都高を走行中、突如としてギアがガクンと2速に落ち、モニターに「トランスミッション異常」という文字が浮かんだ。
「うむむむむ……」
再び衝撃であった。まず、モニターの警告表示がオール日本語! さすがBMW! さすがアプルーブドカー! イタフラ車じゃこうは行かない。いきなり2速ホールドになるのもダイナミック!
私の思考回路は基本的にイラフラ車寄りなので、こう考えた。
「たぶんセンサーの異常だろう。いったんエンジンを切れば消える(治る)に違いない」
首都高を降りていったんエンジンを切る。するとどうでしょう。警告表示が消えたじゃないですか! トランスミッションも復帰している。やっぱりかワッハッハ。私は鷹揚(おうよう)に笑って帰宅した。そして我が335iカブリオレにこう名付けた。「スーパーエリート号」と。
翌日は早速スーパーエリート号で伊豆に出掛けた。オープンエアを存分に楽しみつつ快調に走行していると、再びアレが襲った。2速への強制シフトダウン&トランスミッション異常表示(日本語)である。つーかその時は高速走行中にて2速に落ちず、いきなりニュートラルになった。ブレーキで慎重に速度を落とすと、減速途中でダイナミックに2速に落ちた。
結局その日は、そのテのお仕置きを5回も食らってしまった。
「これは本当に壊れてるのかもしれない……」
これまでのカーライフ、多少の故障はあったが、たとえば「フェラーリ348」は片バンク死んで直4になっても問題なく小淵沢から帰京できたし、「シトロエン・エグザンティア」は雨漏りしてもマフラーがさびて折れても窓が落ちても走れた(アタリマエ)。その他イタフラ車の警告灯点灯はほとんどがセンサーの気まぐれで、エンジンを再始動すれば大抵自然治癒したが、今回はホンモノらしい。
さすがBMW! 警告灯がついたらホントに壊れてるんだネ!

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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