カーチェイスはパトカーで

娘の不用意な行動から敵に居場所を察知され、彼らは危険な状況に陥ってしまう。ニューオーリンズのハロウィーンパレードで、敵と追いつ追われつの戦いが始まった。道具立てとしてはありきたりだが、本物のパレードを背景にした撮影は迫力がある。

前作では、リーチャーが「シボレー・シェベルSS」で「アウディA6」とバトルを繰り広げた。今回も激しいカーチェイスシーンが見どころになっている。ただし、クルマは「ダッジ・チャージャー パースート」。つまりパトカーなのがちょっと寂しい。自分のクルマを持っていないから、乗るのはリーチャーがたまたま調達できたモデルになってしまう。次回作では、ぜひともまた1960年代のマッスルカーを登場させてほしい。

華麗でスタイリッシュな『ミッション:インポッシブル』に対し、このシリーズはゴツゴツした荒々しさに満ちている。飛行機にしがみついたり超高層ビルの壁を走ったりする派手なアクションシーンはない。CGは極力使わず、生身の肉体で勝負する。リーチャーはパンチ一発で相手を殺してしまうのだが、トム・クルーズの身のこなしがしっかりとリアリティーを与えていることに感心する。

リーチャーは完全無欠のヒーローではなく、見た目はわりとおっさんだ。顔の皮膚のテクスチャーも隠さずに見せていて、無駄な若作りはしていない。イーサン・ハントよりは長く続けられそうなキャラクターだ。アクションをこなせるおっさんという評価が確立すれば、トムが10年後に『エクスペンダブルズ』に出演してもおかしくない。

(鈴木真人)
 

「ダッジ・チャージャー」
往年のマッスルカーの名を冠して、2005年に登場したフルサイズのFRセダン。劇中車は、2011年に登場した現行型のパトカー仕様である。


	「ダッジ・チャージャー」
	往年のマッスルカーの名を冠して、2005年に登場したフルサイズのFRセダン。劇中車は、2011年に登場した現行型のパトカー仕様である。
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『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
2016年11月11日(金)全国ロードショー
配給:東和ピクチャーズ
『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』
	2016年11月11日(金)全国ロードショー
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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