「スズキ・ソリオ」に32.0km/リッターのフルハイブリッドモデルが登場
2016.11.29
自動車ニュース
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スズキは2016年11月29日、「ソリオ」と「ソリオ バンディット」にハイブリッドシステムを搭載した新グレードを設定し、販売を開始した。
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燃費はJC08モード計測で32.0km/リッター
スズキ・ソリオ、およびソリオバンディットは全長×全幅×全高=3710×1625×1745mmという小柄なボディーサイズが特徴の、コンパクトハイトワゴンである。現行モデルのデビューは2015年8月のことで、2016年10月末時点での平均月販台数は3881台と、先代モデルを1200台上回る好調を記録している。
今回の新グレードは、モーターのみでのEV走行も可能なフルハイブリッドシステムを搭載したものである。ソリオシリーズには、これまでにもモーターをエンジン走行の補助のみに用いるマイルドハイブリッドシステム搭載車が設定されていたが、フルハイブリッド車の設定は今回が初。JC08モード計測による燃費は、既存のマイルドハイブリッド車(27.8km/リッター)を約15%上回る32.0km/リッターとなっている。
内外装による差別化も図っており、フルハイブリッド車のエクステリアには、スケルトン部分にブルーメッキを施したフロントグリルや、ブルークリアレンズのリアコンビランプ、専用デザインの「HYBRID」エンブレムを採用。インテリアでは、アッパーガーニッシュの塗装をシルバーからブルーメタリックに変更したほか、エンジン回転計とギア段表示機能が追加されたインフォメーションディスプレイや、パワーフローメーターなどが装備された、専用の3眼メーターを搭載している。
フルハイブリッドシステム搭載車のラインナップと価格は以下の通り。
・ソリオ ハイブリッドSX:191万7000円
・ソリオ ハイブリッドSZ:206万2800円
・ソリオ バンディット ハイブリッドSV:204万6600円
既存のリソースを活用したスズキ独自のハイブリッド
ソリオシリーズのフルハイブリッドシステムは、マイルドハイブリッド車の機構をベースにスズキが独自に開発したもので、1.2リッターの直4エンジンに、エンジンの始動をつかさどる「ISG」、「MGU」と呼ばれる走行用モーター、電圧100V、蓄電量440Whのリチウムイオンバッテリーとインバーターを組み合わせている。ユニークなのがトランスミッションで、既存のモデルと同じCVTではなく、軽量・コンパクトで伝達効率に優れたロボタイズドMTの5段「AGS」を採用。ブレーキエネルギーの回生はMGUで行われる。
走行用モーターの最高出力は13.6ps(10kW)/3185-8000rpm、最大トルクは3.1kgm(30Nm)/1000-3185rpmというもので、トルクを増幅させる減速機(ギア比は約10:1)を介して直接駆動軸に動力を伝達。EV走行時やブレーキエネルギーの回生時には、AGSのクラッチでエンジンを切り離すことで、電力消費の抑制と、より効率のよいエネルギー回生を実現している。また変速時のトルクギャップ(クラッチが切り離されることで一時的に駆動力が遮断されること)を走行用モーターの駆動力で補うよう、AGSとモーターを協調制御。ロボタイズドMTの弱点とされる変速ショックを軽減し、スムーズな変速を実現したという。
走行モードは「標準モード」と「エコモード」の2種類で、ダッシュボードのスイッチによってエコモードのオン/オフを操作。エコモード選択時には、アクセルペダルの踏み込み量に対して加速が穏やかになるほか、より積極的にアイドリングストップを作動させることで燃料の消費を抑制する。また、発進時には標準モードではISGがエンジンを始動させるのに対し、エコモードでは状況に応じてモーターによるクリープ走行を行うなど、より頻繁にEV走行が行われるよう制御が切り替わる。
なお、EV走行についての詳細な性能は公表されていないが、巡航であれば60km/hまでの走行が可能であり、バッテリーに十分な電力がたまっている状態であれば、40km/h以下で約3分間、およそ2kmの距離をエンジンを始動させずに走ることができるという。
(webCG)
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