自動運転はすぐそこに

アメリカの死亡事故の原因は明らかになっていない。つまりオートパイロット任せじゃなくドライバー自身が運転していれば避けられた事故だったかどうかはわからない。けれど、テスラは自動車メーカーとして、ここでいったん立ち止まり、このアップデートを配信したように見える。自動運転社会というものはいつかやってくるのだろうが、だれでもわかるように人の生死に直結するものであるだけに、技術的にも、法的にも、倫理的にも、慎重なプロセスが求められる。リスクを背負い、この分野で(少なくともわれわれ一般ユーザーの目に見えるかたちにおいては)トップを走るブランドならではの判断といえる。

ただし、テスラはバージョン8.0の配信とほぼ同時に、壮大な計画を発表することも忘れない。それによると、今後生産されるモデルS、モデルX、それに間もなく発売される「モデル3」に、8個のカメラ、12個の超音波センサー、ミリ波レーダー、それに従来の約40倍の演算能力をもつコンピューターを車載する(逆にレーザーはなくなる)。ユーザーはそれらをすぐには利用できないものの、近い将来、技術的、および(国によって異なる)法的に準備が整った段階で、追加されたデバイスを使った完全自動運転を可能とするソフトウエアアップデートが配信されるという。つまりこれからテスラのどれかを注文すれば、納車されるその個体で、いつの日か自動運転が実現されるというのだ。テスラモーターズのイーロン・マスクCEOは「2017年内に新しいデバイスを搭載したモデルで、ロサンゼルスからニューヨークまで完全自動走行してみせる」と宣言した。さすがにこれはちょっとワクワクする。

(文=塩見 智/写真=テスラモーターズジャパン/編集=竹下元太郎)

「テスラ・モデルS」
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「テスラ・モデルX」
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テスラのモデルの中で最も廉価な「モデル3」。価格は3万5000米ドル(約400万円)からを予定。2017年の終盤に生産が始まる。
テスラのモデルの中で最も廉価な「モデル3」。価格は3万5000米ドル(約400万円)からを予定。2017年の終盤に生産が始まる。拡大
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