パリの香りが迎えてくれる

その銀座プレイスの1階、2階を占める新しい日産のショールームは、「NISSAN CROSSING」という。表参道にあるレクサスのカフェは、「INTERSECT」。両方とも“交差”つながりだが、日本を代表する交差点にある日産のほうが、よりネーミングに合致している。

入った途端、よい香りに包まれた。それは、2016年10月のパリモーターショーの日産ブースに漂っていたのと同じ香りであることがすぐにわかった。日産の新たな“グローバル戦略”である。なお、スタッフに聞けば、純正の車内用フレグランスに、同様の香りの設定はないという。ショー会場やショールームでのお楽しみというわけだ。

イタリアでは、ファッションブランドのチェーンで、ディフューザーを使って各店舗で共通の香りを30分に1回噴射しているところがある。「香りアイデンティティー」は、各界で加速している。

さてNISSAN CROSSINGの「センターステージ」と称する1階には、「シリンダー」と名付けらけた円筒形ステージを含め、3台の車両を展示できるスペースが用意されている。驚くべきは2階だ。日産がルノー傘下となって新CIを導入するよりずっと前、ボクが中学生/高校生時代だった1980年代の日産ギャラリーは、らせん階段で上がる小さな2階があって、狭いスペースに1台が押し込められていたものだ。

対して、新しいビルでは、1階と同じだけのスペースが与えられている。横浜のグローバル本社ギャラリーと同様に、日産グッズを取りそろえたブティックもある。そこでは、早速外国人観光客がミニカーを買い求めていた。「クロッシング・カフェ」と名付けられた喫茶スペースも設けられている。その一角には、日産デザインに関する本も並んでいるのだが、手が届かない高さのところに置かれている。持ち去り防止とはわかっているが、簡単に閲覧できないのは少々惜しい。

NISSAN CROSSINGの「シリンダー」の部分に展示されていた「日産グリップス コンセプト」。2015年フランクフルトモーターショーの出品車である。
NISSAN CROSSINGの「シリンダー」の部分に展示されていた「日産グリップス コンセプト」。2015年フランクフルトモーターショーの出品車である。拡大
メインのスペースには、2015年東京モーターショーで公開された「日産IDSコンセプト」が。
メインのスペースには、2015年東京モーターショーで公開された「日産IDSコンセプト」が。拡大

こちらは、NISSAN CROSSINGのためのオリジナル展示車両。彫刻家・名和晃平(なわ こうへい)氏とのコラボレーションによる「日産リーフ」。


	こちらは、NISSAN CROSSINGのためのオリジナル展示車両。彫刻家・名和晃平(なわ こうへい)氏とのコラボレーションによる「日産リーフ」。
	拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

あなたにおすすめの記事
新着記事