命名“スーパー節約号”

具体的には、まずノーマルモードとE(エコノミー)モードの使い分け。ノーマルモードだと通常2400rpmくらいまで引っ張るけど、減速時の自動シフトダウンも早いので、街中だとショックがちょっと気になる。気になる時は、前方信号が赤になるたびにNに入れる。そういった小さな操作に小さなヨロコビがある。

Eモードで走ってもショックは軽減されるが、2000rpmでほぼ強制シフトアップなので、発進加速が超トロくなる。「ワゴンR」とかにも軽く置いて行かれる。「ああ~、軽に負ける~~~」っていう焦り。あるいは「軽って速いな!」という驚き(笑)が、カーマニアとしてまたジワジワうれしい。初体験なので。

高速巡航は実に甘美だ。2000~2500rpmあたりの、ディーゼルの一番おいしいゾーンを使ってゆっくり流しつつ、ほんのちょっとアクセルを踏み増した時の軽~い加速感。最小のエネルギーで最大の仕事をやってる感じがたまりません! フェラーリエンジンを9000rpmまでブチ回してるだけがカーマニアじゃない! クルマにはこういう繊細な、重箱の隅をつつきまくる快楽もある。

燃費はこれまでの平均で約17km/リッター。軽油ってリッター100円切ってるでしょ? もうタダみたいなもんですよ! しかもワンタンク800kmくらい走るんだから。ほとんど永久機関。ゆっくり流しても5.3km/リッターしか走らない458イタリアとは最強のタッグだ。組み合わせも最高なのですね。

私はこのデルタを、“スーパー節約号”と命名しました。ただの節約を超えた、スーパーなマニアックさに満ちているのです。

(文=清水草一/写真=清水草一、池之平昌信/編集=大沢 遼)

 


 

 

「ランチア・デルタ」の1.6マルチジェットエンジン。
「ランチア・デルタ」の1.6マルチジェットエンジン。拡大
「デルタ」の燃費はこれまでの平均で約17km/リッター。
「デルタ」の燃費はこれまでの平均で約17km/リッター。拡大
「フェラーリ458イタリア」の燃費は、ゆっくり流しても5.3km/リッター。
「フェラーリ458イタリア」の燃費は、ゆっくり流しても5.3km/リッター。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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