イタリアの駐車場は要注意

イタリアの日本人観光客で目立つのは、母親+娘という組み合わせだ。彼女たちがミラノのモンテナポレオーネ通りでショッピングを楽しんでいる間も、お父さんは黙々と東京のオフィスで働いて待っている。「日本のお父さん=待っている」は、もはや公式化している。

ボク自身も、イタリアでの食料品の買い物は、時に面倒なもの。わが街でもスーパーのネット注文&宅配サービスが始まったら真っ先に活用しようと思っている。しかし、買い物は、今のイタリアの物価や消費者感覚を肌で感じる大切な機会だ。加えて、服選びはやはり微妙な色や素材感を確認するため、ネットではなく店に出向きたい。そうした理由で、ボクは買い物には率先して行くようにしている。

とはいうものの、決してイタリアの買い物タイムがバラ色というわけではない。なぜなら、この国のスーパーやショッピングセンターの駐車場は、かなり「怪しい」のだ。

大都市の駐車場では、クルマを降りるやいなや、不法滞在の外国人と思われる人物が近づいてきて小遣い銭を求める場合が少なくない。スーパーの警備員がいても、多くの持ち場は店内に限られ、彼らを追い払うことはない。買い物を終えての荷積みの最中は、買い物カートに自分のカバンを放置しておくのはやめたほうがよい。

こんな感じだから、車内にモノを残しておくことは厳禁である。ボクと女房も十数年前、ミラノのチェーン系家具店で買い物中、スーツケースをまるごと盗まれてしまったことがある。逆にいえば、そんなヤバい状況でもお父さんが「車両警備員」としてクルマに残留しないところに、イタリア人の強い家族志向がある。

イタリアのスーパーの駐車場における楽しみのひとつが、古いクルマの生存確認。これは「インノチェンティ・ミニ」。
イタリアのスーパーの駐車場における楽しみのひとつが、古いクルマの生存確認。これは「インノチェンティ・ミニ」。拡大
イタリアのスーパーであるシンプリイが2012年導入したプラスチック製カート。そのボディー剛性は、写真から想像するほどは悪くない。
イタリアのスーパーであるシンプリイが2012年導入したプラスチック製カート。そのボディー剛性は、写真から想像するほどは悪くない。拡大
いまだにネットの宅配が普及していないイタリアのスーパーだが、レジの待ち時間を節約するためにお客さんが自分自身で商品を精算するスキャナーは、10年以上前から使われている。
いまだにネットの宅配が普及していないイタリアのスーパーだが、レジの待ち時間を節約するためにお客さんが自分自身で商品を精算するスキャナーは、10年以上前から使われている。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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