少女2人が大統領夫人に会うためアメリカ横断

『マックス&エリー ~15歳、ニューヨークへ行く!~』もロードムービーだ。カリフォルニアからニューヨークまで、アメリカ大陸を横断する。クルマは「クライスラー・タウン&カントリー コンバーチブル」。1940年代のモデルだ。

1962年8月5日、エリー(リアナ・リベラト)の母が交通事故で亡くなる。日にちまでわかるのは、マリリン・モンローが死去したのと同じ日だからだ。リベラルな考えを持つ母はフランクリン・ルーズベルト元大統領の妻エレノアに心酔しており、彼女の前でスピーチをすることを夢見ていた。

エリーは母の夢を受け継ぎ、ニューヨークに住んでいるエレノアに会いに行くことにする。相棒は悪友のマックス(イザベル・ファーマン)だ。家からクルマを盗み出し、冒険旅行が始まる。

1962年には、マリリン・モンローの死よりもっと重大な事件が起きている。キューバ危機だ。2人がカリフォルニアを出発したのは10月下旬で、ソ連がキューバにミサイルを設置したことが明らかになった直後である。テレビではケネディ大統領の演説が流され、“西半球”が核攻撃の対象になっていると騒がれていた。

マックスとエリーが大胆な行動に出たのは、みんな死んでしまうかもしれないという不安が背景にある。当時は核戦争で世界が破滅する可能性を本気で信じる人が多かったらしい。途中で出会った脱獄犯を旅の道連れにしたのも、やけっぱちな気持ちだったことの反映だろう。

エリーの父ボブを演じたのは、『26世紀青年』でバカが支配するようになった26世紀のアメリカを救ったルーク・ウィルソン。道中で宿を借りた一家で出会うイケメンは、シュワちゃんの息子パトリック・シュワルツェネッガーである。

『マックス&エリー ~15歳、ニューヨークへ行く!~』(DVD)
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「クライスラー・タウン&カントリー」
タウン&カントリーはクライスラーのステーションワゴンとして戦前に生産が始まった。戦後になってセダンやコンバーチブルもラインナップされるようになる。現在は同じ名前でミニバンが販売されている。
「クライスラー・タウン&カントリー」
	タウン&カントリーはクライスラーのステーションワゴンとして戦前に生産が始まった。戦後になってセダンやコンバーチブルもラインナップされるようになる。現在は同じ名前でミニバンが販売されている。拡大
鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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