目指すはカーマニア人間国宝!

だってさ、私がアクアやシエンタに乗ってると、みんなビックリしてくれるんだもん! 「どうしたんですかコレ?」って。「買ったんですよ」って言うと「ええええっっっっ!」って。驚いてくれるって、やっぱりすごいことでしょ? マニアがマニアを驚かせるのって大変だから。ランチア・デルタ1.6マルチジェットくらいマニアックじゃないと驚いてもらえない。

あるいは4年半前、「フェラーリ458イタリア」を買った時とか。あの時はみんな驚いてくれたなぁ。「まさか……」「すごすぎます!」「非富裕層として恐らく世界初の快挙でしょう」とかって。

でもね、アクアやシエンタを買った時も、同じくらい驚いてくれたんだよ! マジで! わかるこの感覚? 別に驚かせるためだけにアクアやシエンタを買ったわけじゃなく、買う価値があると思ったから買ったんだけど、マニア中のマニアがあえて大衆の海のど真ん中に飛び込むというのはある種の荒行で、尊敬されるんですよ! 尊敬されたいんだよオレ! なにせカーマニア人間国宝を目指してるし!

そんな私が「アクセラ15XD」を買ったとしよう。おそらく誰ひとり驚いてくれない。「普段の足としていい選択ですね~」とかそんな反応が待っているはず。それってつまんないじゃん!?

カーマニアにとってクルマ選びは最大の自己表現。そこでいかにもな選択をするのはいかがなものか。もちろん自分が満足できりゃなんだっていいんだけど、アクセラスポーツ15XDではまっとうすぎて、どこかココロの飢えを感じてしまうだろう。

(文=清水草一/写真=清水草一、池之平昌信/編集=大沢 遼)


 

「アクア」納車時、フェラーリは「512TR」だった。ただすでに「458イタリア」に憧れていたためアクアの希望ナンバーは「458」。
「アクア」納車時、フェラーリは「512TR」だった。ただすでに「458イタリア」に憧れていたためアクアの希望ナンバーは「458」。拡大
その後、念願かなって「458イタリア」を購入。
その後、念願かなって「458イタリア」を購入。拡大
約5年間足グルマとして活躍した「アクア」は「シエンタ」に交代。ただしシエンタはわずか半年で売却。
約5年間足グルマとして活躍した「アクア」は「シエンタ」に交代。ただしシエンタはわずか半年で売却。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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