AMGと自動運転、ハイブリッドの未来

最後に、AMGの製品に関しても聞いてみよう。現在、すでにEクラスなどには運転支援技術の「ドライブパイロット」が搭載されており、自動運転への道筋も見えてきている。そういったことをAMGはどう捉えているのか。

これについて、ムアース氏は「当然、メルセデス・ベンツで採用されるこういった新技術や、社会で推進されつつある自動運転に関する技術は取り込む。パフォーマンスブランドだから搭載しないとは考えていない」と回答。「パフォーマンスカーでも渋滞に入ることはあり、そういう時に自動運転のスイッチを押して、例えばEメールをしたり、ちょっとだけ体を休めたりといった時間を得るのは悪いことではない。そういうことが未来志向の一端ではないか」と述べる一方で、「自動運転技術のボタンをオフにすれば、究極のハイパフォーマンス、レーストラックでの快感が実感できる」とし、AMGはあくまでもドライバーに運転の選択肢を残すという考えを明かした。

また、電気自動車やプラグインハイブリッド車などについては、「実は“ハイパーカープロジェクトワン”をスタートさせている。これはパワートレインの電動化やハイブリッド化を構想の中に捉えた開発プロジェクトだ」と言明。「例えば、パワートレインを電動化することにより、さらなるパワーを得ることができ、効率も良くなる。このプロジェクトはわれわれの将来の考え方や、将来のハイパフォーマンスカーというものがどういうものかという定義を少しだけ示している」とし、積極的にラインナップに取り入れていく方針を示した。

こういった取り組みはどうやらAMGの社風でもあるようだ。もともと、モータースポーツの世界で頭角を現したAMGは、ムアース氏いわく「当時から常に変わらず革新、イノベーションに特化した企業であり、何か新しいアイデアを思いついたらそれを実現しようとするチャレンジングスピリットにあふれている。それはメルセデス・ベンツの一員となり、スポーツ部門、パフォーマンス部門を担った現在も変わってはいない」という。そして、「これこそが、今でも全社員が共有しているモノづくりの理念、考えなのだ」と結んだ。

(文=内田俊一/写真=webCG/編集=堀田剛資)
 

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