ベルリンとニューヨークでカーチェイス

前作の『スカイミッション』は撮影中にブライアン役のポール・ウォーカーが自動車事故で亡くなったため、代役やCGを使って完成させた。ブライアンはイクメンパパとして穏やかな生活を送っていることとなり、2人の主役が並び立つ形から、ドムひとりが前面に出る構成に変わることになったのだ。しかし、ファミリーの大黒柱であるはずの彼が、仲間を裏切ることになる。

キューバの街角で「トヨタ・ランドクルーザー」が立ち往生しているのを見たドムは、困っていた美女に声をかける。彼女はサイバーテロリストのサイファー(シャーリーズ・セロン)だった。ドムは立ち去ろうとするが、何かを見せられて表情が固まる。彼にとって世界で一番守らなければならないものが写った写真だった。

ヨーロッパではテロリストが危険な兵器を手に入れていて、ホブズ(ドウェイン・ジョンソン)を通じて奪還するよう指示される。ローマン(タイリース・ギブソン)やテズ(クリス・ブリッジス)にも声をかけ、最強のチームが再結成された。無事テロリストから兵器を取り戻したのはいいが、最後にドムが不可解な行動を取る。奪還作戦は失敗し、ホブズはとらわれの身となってしまう。

『ワイルド・スピード』シリーズでは、回を追うごとにカーチェイスシーンが派手になっていった。新たな仕掛けが用意されているのは当然である。ベルリンでは巨大な鉄球が現れてクルマを襲う。当たったらひとたまりもないので、華麗なステアリングさばきで避けるしかない。

ニューヨークでは、システムを乗っ取られた無数のクルマが暴走を始める。「ジープ・グランドチェロキー」「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ」「ヒュンダイ・エラントラ」など、メーカーや車種を問わず街を走るクルマがすべて操られてしまうのだ。隊列を組んでコーナーを駆け抜け、ビルのパーキングからはクルマが降ってくる。自動運転システムは装備されていないと思うが、インパクトのある演出の前にはささいなことだ。

© Universal Pictures
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第145回:ダッジ・チャージャー最強! 潜水艦にだって勝つ! 『ワイルド・スピード ICE BREAK』の画像拡大
 
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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