レクサスLC500“Lパッケージ”(FR/10AT)/LC500h“Lパッケージ”(FR/CVT)
おもてなしの先に向かう道 2017.05.04 試乗記 “製品化を前提としない”はずだったコンセプトカーの発表から5年。ほとんどそのままの姿で登場し、世間を驚かせた「レクサスLC」がいよいよ日本の公道を走る。新開発のFRプラットフォームや10段AT、マルチステージハイブリッドなどの技術を満載した、新世代のラグジュアリークーペの出来栄えは?プレミアムブランドに不可欠なモデル
理屈抜きにカッコいい。高級感と優雅さがあり、ゴージャスな香りをまとっている。初めてレクサスLCを見た時の感想だ。あれこれ考える前に、たたずまいに引きつけられた。この手のクルマは見た目が100%なのだ。ルックスは、性能を余すところなく表現したものでなくてはならない。見た目でインパクトを与えるという第一関門を、LCは軽々とクリアしている。
レクサスは初めてこのクラスのクーペを世界に問うことになる。ラグジュアリーブランドのラインナップには、必要不可欠なモデルなのだ。1989年に設立されたレクサスが老舗プレミアムブランドと肩を並べるには、高級セダンの「LS」だけでは足りない。2ドアクーペということでは「RC」があるものの、サイズ的にひとクラス下になる。さかのぼれば「SC」というモデルがあったが、出自を考えると少々心もとない存在だった。「LFA」はラグジュアリーというよりピュアスポーツカーで、そもそも限定モデルである。
LCという名はLuxury Coupeの略だというから、そのものズバリの命名だ。裏の意味としてLexus Challengeもあるという。試乗会場でエンジニアが着ていたおそろいのジャンパーにその文字が記されていたから、裏というより本音の決意表明なのだろう。新世代レクサスの目指す方向性がこのクルマに盛り込まれている、という自負があるのだ。
上滑りな意気込みではなく、レクサスがLCを重要視している証拠がGA-Lと名付けられたプラットフォームだ。2012年のデトロイトショーで発表されたコンセプトカー「LF-LC」を忠実に商品化するために、軽量で剛性の高いプラットフォームを新開発する決断が下された。いわばトヨタ「TNGA」のFR版で、今後LSなどにも順次使われていくことになる。
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