クロエを継ぐ美少女が登場

ウルヴァリンを演じるのは、もちろんヒュー・ジャックマン。2000年に公開された『X-メン』で初登場して以来、9回目となる当たり役だ。30歳になったばかりだった彼も、今や48歳になる。現実の世界でも年を取ったが、映画の中でははるかに速いスピードで老化が進んでいたようだ。この作品で、彼はウルヴァリン役を引退する。

アニメなら『サザエさん』のように50年たっても若さを保ったままでいられるが、実写ではそうはいかない。『男はつらいよ』の寅さんも、最後はキャラの説得力を持たせるのに苦労していた。ウルヴァリンでスターの座をつかんだヒュー・ジャックマンではあるが、そろそろ卒業していい頃合いだろう。『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じ、「トヨタ・クラウン」のCMでGReeeeNの『キセキ』を歌った。押しも押されもせぬ一流俳優の地位を手に入れたのだ。

ウルヴァリンは去っていくが、魂は新たな世代に受け継がれる。彼はローラという名の少女の保護を依頼された。ほとんど声を発しないので、何を考えているのかわからない。物静かなようだが、時に獣のような野性をむき出しにする。モラルというものを理解していないようで、店で欲しいものを見つけると勝手に持っていこうとし、店員にとがめられると力づくで奪おうとする。まともな教育を受けていないのだ。

ローラを演じるのは、撮影時に役と同じ11歳だったダフネ・キーン。妖しさと無垢(むく)さを同居させた不思議系美少女だ。ほとんどの場面を自ら演じたという格闘シーンが見事である。戦闘能力の高い少女というと『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツを思い出さずにはいられない。彼女が“陽”と“動”のキャラだったのに対し、ダフネは“陰”と“静”を体現している。5年後が楽しみな逸材である。

(C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation
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第148回:2029年、ミュータントは内燃機関のSUVに乗る『LOGAN/ローガン』の画像拡大
 
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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