究極のローエミッション発見
引き続き、クルマのハード以外の事象で、気になったもの・楽しんだものを紹介しよう。
【写真4】はBMWが展示した「i」コンセプトシリーズの“プラグイン充電器”としてディスプレイされていたものである。東京にお住まいの方は地下鉄東西線のマークを思い出すかもしれないが、ボクは「デザインした人はダイソンの扇風機が欲しかった人」と読んだ。
モーターショーに欠かせないものといえばコンパニオンだが、今回いちばん体を張っていたのは、セアトのお姉さん(写真5)である。ポールの上に据え付けられたバルーンに入り、前後左右へとポールをしならせながら踊るという仕掛けだ。見世物小屋っぽさ全開で、眺めている自分がちょいと恥ずかしくなってしまったが、セアトというブランドのポップなムードを体現していたことは確かだ。
アトラクションの前後、お姉さんがどうやって登り降りしたのか見たかったのだが、時間がなかったのと(たぶん)苦しい顔をして抜け出すお姉さんをわざわざ見るのは粋でないので、やめておいた。
各社のグッズショップをのぞいてみる。しゃれていたのは、メルセデス・ベンツで見つけた「SLK」のマニキュア(写真6)である。値段も9ユーロ(約900円)と安心価格だ。ボディと同色のマニキュアをつけた手でステアリングを握れば、なんともオシャレではないか。ただし車内に転がしておくと、殿方にタッチアップペイントと間違えられる恐れありかもしれない。
究極のローエミッションといえば、幼児用の足押し車である。ボクは見つけるままに写真を撮っていったのだが、気がつけばアウディ、ポルシェデザイン、シュコダ……と、みんな広義でのフォルクスワーゲン系だった(写真7、8、9)。
ショーケースに入っていて確認できなかったので断定は避けるが、ここまでそろうと、もしかしてプラットフォーム共有? という仮説を立ててしまった。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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