アウディS5クーペ(4WD/8AT)
やりすぎないスポーティネス 2017.06.16 試乗記 アウディの2ドアスポーツクーペ「S5クーペ」が新型にモデルチェンジ。新世代のプラットフォームとパワートレインが織り成す走りはいかなるものか。最高出力354ps、最大トルク500Nmという高性能モデルの、意外な素顔を紹介する。どんなクルマだったっけ?
「A5」シリーズが刷新された。「A4」の2ドアクーペ版としてデビューしたのが2007年。その2年後には5ドアハッチの「スポーツバック」と「カブリオレ」が加わった。いずれも初めてのフルチェンジ。これでA5も「MLBエボ」プラットフォームを基礎にする新世代アウディの一員である。
しかし、A4のクーペがA5だったはずなのに、そこに5ドアやオープンが加わって、じゃあ、A5ってどういうクルマ? というのがつかみにくくなった。そんなウラミは、最近のアウディだけにとどまらない。メルセデスもBMWもいまや競って“品数拡大競争”に精を出しているようにみえる。勝ち組ドイツ車だからこそできる戦略とはいえ、みなさん、ついていけてますかあ?
今回試乗したのは、S5クーペである。2リッター4気筒ターボの「A5クーペ」では飽き足らない人の高性能モデルだ。新型のわかりやすい違いは、3リッターV6がミラーサイクル化され、過給がスーパーチャージャーからターボに変わったこと。パワーは「2.0 TFSIクワトロ スポーツ」を100ps以上しのぐ354ps。先代S5の333psにも明確な差をつける。わずか1370rpmの低回転から出る最大トルクは51.0kgmに達する。「ランボルギーニ・カウンタックSクワトロバルボーレ」とどんぴしゃり同じ力持ちである。