アウディA6 2.8 FSIクワトロ(4WD/7AT)【試乗記】
“上善如水”な仕上がり 2011.09.21 試乗記 アウディA6 2.8 FSIクワトロ(4WD/7AT)……854万5000円
アウディのミドルクラスセダン「A6」には「2.8 FSIクワトロ」と「3.0 TFSIクワトロ」がある。価格はそれぞれ610万円と835万円。2.8のお値打ち感が目立つが、その実力やいかに?
さらっと履きこなす20インチ
試乗した個体が履いていた255/35R20のホイールとタイヤは、25万円のオプション装備だ(標準サイズは245/40R18)。「RS6」でも「S6」でもない、フツーの「A6」。自然吸気2.8リッターのエンジンに対してはずいぶん過剰なものに思えるけれど、わざわざインチアップしたことがハタ目にもよくわかる最低限のサイズがこれ、ということであろう。
先が思いやられたが、しかしイザ乗ってみたらどうということはなかった(首都高3号線のジョイント攻撃も受け続けたのに)。それどころか、ひょっとしてこのクルマはエアサスつきではないかと疑ったほどだった(もちろん、違った)。新型A6、少なくとも乗り心地的には、ニーゴーゴのサンゴーの20インチをサラッと履きこなしている。
ステアリング系の印象は相変わらずだった。車速や舵角(だかく)の変化にともなって、いろんな制御が入れ代わり立ち代わり顔を出してくるのと、常にフリクション(どこかで引っかかるというよりは常にコスれているような)がやや強めの感じ。前輪のセルフアライニングトルクの大きさと、その向きをジャマものなしに手で“見たい”人にとってはこれ、人工的すぎてあまりうれしくない。けれど、そうしたワザとらしさは先代比で確実に薄まっている。印象がマシになっている。
もっと言うと新型A6、パワステは電動アシストのタイプに一新されている。油圧から電動へのシステムの変更による印象の差、なんてものはほとんど気にする余地がなかった。ただただ順当に、マシになっていた(前のがちょっとナニすぎたともいえるけれど)。しかもニーゴーゴのサンゴーで。