ブリヂストンにも、ダンロップにもありません

こうして始まったダッジ・バイパー タイヤ交換計画だが、その前途は多難だった。最初に立ちはだかったのは、「そもそも履けるタイヤが無い」という大問題である。要するに日本で正規販売される製品の中に、サイズのラインナップがなかったのだ。
厳密に言えば、前後で銘柄を変えるという荒業を使えば、1パターンくらいは装着できる組み合わせがあったようであるが(byオートバックス代官山店)、それはホントに最後の手段。秘術に手を伸ばす前に、記者は自動車用語で言うところの“並行輸入”“逆輸入”のタイヤに目を向けた。

すると、あるではないか。単一銘柄で295/30ZR19と345/30ZR19というサイズをラインナップしているタイヤが! ……まあ、あるっていっても「ピレリPゼロ」「ミシュラン・パイロットスーパースポーツ」「トーヨー・プロクセスR888」および「プロクセスR888R」そして「ニットー・インヴォ」ぐらいなんだけど。
このうち、ピレリとミシュランについては説明は不要でしょう。欧州製スーパーカー/プレミアムカー御用達の高級タイヤである。これに対してトーヨーの2モデルは、クローズドコースでのスポーツ走行を想定したSタイヤ。インヴォはニットーのプレミアムタイヤで、ブリヂストンでいうと「ポテンザS001」と「レグノGR-XI」を足して2で割ったような感じだろうか。いやはや、他のクルマでは考えられないラインナップである。笑うしかねえ。

余談だけど、日本での知名度の低さからニットーを低く見る人がたまにいるけど、冗談じゃございません。日系メーカーとして唯一ドラッグレース用のラジアルタイヤを手がけるなど、かの地では親しまれているブランドなのだ。性能面での信頼も厚く、例えば最高出力840hp、0-400m加速9.65秒の怪獣「ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン」の純正タイヤも、実はニットーだったりする。

オートバックス代官山店にて整備を受ける「バイパー」。教えてもらったタイヤの組み合わせは、確か前が「トーヨー・プロクセスT1R」で、後ろが「ニットー・インヴォ」だった気がする。(写真=荒川正幸)
オートバックス代官山店にて整備を受ける「バイパー」。教えてもらったタイヤの組み合わせは、確か前が「トーヨー・プロクセスT1R」で、後ろが「ニットー・インヴォ」だった気がする。(写真=荒川正幸)拡大
イタリアのピレリといったらもう、欧州製高級車御用達のブルジョアなタイヤである。写真はお値段1774万円の「メルセデスAMG E63 4MATIC+」に装着された「ピレリPゼロ」。
イタリアのピレリといったらもう、欧州製高級車御用達のブルジョアなタイヤである。写真はお値段1774万円の「メルセデスAMG E63 4MATIC+」に装着された「ピレリPゼロ」。拡大
こちらも欧州製高級車の御用達のミシュラン。海外向けの「パイロットスーパースポーツ」なら、記者のバイパーでも履けるサイズがラインナップされている。
こちらも欧州製高級車の御用達のミシュラン。海外向けの「パイロットスーパースポーツ」なら、記者のバイパーでも履けるサイズがラインナップされている。拡大
「ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン」に装着されたニットーのドラッグレース用ラジアルタイヤ「NT05R」。
「ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン」に装着されたニットーのドラッグレース用ラジアルタイヤ「NT05R」。拡大
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