ボルボXC60 T6 AWD(4WD/8AT)/XC60 D5 AWD(4WD/8AT)
最新にして最良 2017.06.29 試乗記 2017年秋に日本での発売が予定される2代目「ボルボXC60」に、スペインで試乗。ボルボ全販売台数の30%を占めるという売れ筋SUVはどう変わったのか、ガソリン車の「T6 AWD」とディーゼル車「D5 AWD」でチェックした。ボルボの決断が実を結んだ
ボディーやシャシー、パワートレインのみならず、生産設備までも全面刷新して取り組んだ新世代の商品群――。ここまで聞くと、「あれ? それってマツダの“スカイアクティブ”じゃないか?」という言葉が口をついて出てしまいそうになるが、これは、現在の「XC90」をはじめとするボルボの新世代商品群の特徴である。
リーマンショック後に窮地に陥った日本のマツダが、近い将来を見通した商品戦略/技術戦略をもとに、全車種を対象とした“一括企画”を軸にすえて「あらゆることを刷新させる」という覚悟で挑んだのが、スカイアクティブのプログラムだった。となると、いまになって成果が出始めたこのスウェーデンブランドのプロジェクトを見てスカイアクティブを連想してしまうのも、無理のないことだろう。
自らの身の丈を考え、大メーカーに対する真っ向勝負は諦め、「気に入ってくれるユーザーにこそ、とことん愛してもらいたい」というスタンスでラインナップの再構築に取り組む、現代のマツダ。その点でも、搭載エンジンをすべて自社製の4気筒以下のパワーユニットに限定し、ボディー骨格もそれに合わせた内容にすると決断したボルボの考え方は、近いものがある。