改造の有無で整備の難易度は激変する

O2センサーを交換しようと排気管の取り回しをのぞき込んでいたメカさんが言った。
「このクルマ、ヘダース替えてますね。社外品が付いてる」
記者は「おや?」と思った。ヘダースというのは、アメ車用語でいわゆるタコ足のこと。メールの記録を掘り返してみると、バイパーを購入した自動車販売店の説明では、「外装以外の改造点はサスペンションとマフラーのみ」とのことだったが、これはいかに?
もっとも、この時問題となったのはヘダースが社外品だったことではない。それにより、O2センサーがおかしな方向に取り付けられていたことである。

たいていの場合、ここ(触媒の手前)のO2センサーは排気管に対して横向き、もしくは下向きに取り付けられている。車体をジャッキアップして、下から点検・交換しやすくするためだ。しかし、わがバイパーのセンサーはなぜか上向きに、エンジンルームのあれやこれやに隠されるように生えていたのだ。これでは、よほど腕が細長い人でなければ手が届かないし、届いたところでレンチをキコキコ動かすスペースがない。センサー交換の作業の前に、作業スペースを確保するための作業が必要となったのだ。うーん、ややこしい。

まずは、ジャッキアップしたバイパーのホイールハウスからアルミ製の遮風板を外し、O2センサーの周辺に空間を確保する。次いでバイパーを下におろし、横からセンサーにアクセスする方法を探る。ラチェットハンドルの先にさまざまな種類のソケットを取り付けては、それでセンサーの六角部分をつかみ、脱着できるかを試すのだ。トライ&エラーを繰り返しながら適切な工具の組み合わせを探るさまは、傍(はた)から見ていると難解なパズルを解いているようでもあり、ようやくもろもろの隙間から古いセンサーが現れたときには、思わず拍手が出た。

しかし、作業はまだまだ始まったばかり。逆の手順で新しいO2センサーを取り付けなければならないし、反対側のヘダースにはもうひとつのセンサーが待ち構えている。メカさんいわく「手順さえつかめれば、あとは同じことを繰り返すだけだから簡単」とのことだったが、素人目には到底そうは思えなかった。つくづく、メカニックはせっかちには向かないお仕事である。

いつもお世話になっているアメ車専門店の「コレクションズ」さん。この日は軒先に2代目「バイパー」が展示されていた。うーん。やっぱりカッコイイな……。
いつもお世話になっているアメ車専門店の「コレクションズ」さん。この日は軒先に2代目「バイパー」が展示されていた。うーん。やっぱりカッコイイな……。拡大
O2センサーへのアプローチ方法を探るメカニック氏。普通であればそんなに大変な作業ではないらしいが、記者の「バイパー」が改造車であるばかりに面倒をかけてしまった。
O2センサーへのアプローチ方法を探るメカニック氏。普通であればそんなに大変な作業ではないらしいが、記者の「バイパー」が改造車であるばかりに面倒をかけてしまった。拡大
これがO2センサー。排ガス内の酸素濃度を計測して燃料の噴射量を調整したり、触媒がちゃんと機能しているかを監視したりしている。
これがO2センサー。排ガス内の酸素濃度を計測して燃料の噴射量を調整したり、触媒がちゃんと機能しているかを監視したりしている。拡大
メカさんの無理な姿勢と腕の突っ込み具合から、O2センサーがどれほどややこしい位置に付いていたかをお察しください。
メカさんの無理な姿勢と腕の突っ込み具合から、O2センサーがどれほどややこしい位置に付いていたかをお察しください。拡大
へダースに取り付けられた新しいO2センサー。これからよろしく頼みます。
へダースに取り付けられた新しいO2センサー。これからよろしく頼みます。拡大
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