シトロエンC3シャイン デビューエディション(FF/6AT)
コンパクトカーの最適解 2017.08.28 試乗記 「シトロエンC3」がフルモデルチェンジを受け、装いも新たに登場。ブランドの屋台骨を支える最量販モデルの新型は、フランス車らしい個性と実直さにあふれたクルマに仕上がっていた。デビューを記念した限定車に試乗した。名前以外はすべてが変わった
2002年に初代が誕生して以来、350万台以上を販売してきたというシトロエンの重要量販モデル、C3がフルチェンジを受けた。写真を一見しても明らかなように、それはもう見事なまでの変貌ぶりだ。
従来型での大きな特徴だった“おでこのテッペン”にまで至る広大なウインドシールド=「ゼニスウィンドウ」は、好評を博していたにも関わらず潔く廃止。クリアランスランプ兼デイタイムランニングライトとヘッドライトとの位置関係が、常識とは上下逆にレイアウトされるなど、顔つきそのものもこれまでのC3のそれとは全く異なるモチーフで構成され、今度のモデルが“名前以外はすべてが変わった”ことを象徴している。
従来型比でホイールベースが70mm延長されたボディーは、全長と全幅ではそれぞれプラス40mm/20mmと、“微増”といえるもの。一方、これまで1.5m超と高かった全高は35mmマイナスされており、前述のような基幹モデルにも関わらず、今回のモデルチェンジではパッケージングにまで大きなメスが入れられたことが明らかだ。
“同胞”である「プジョー208」を筆頭に、周辺を見回せば「フォルクスワーゲン・ポロ」に「フォード・フィエスタ」、さらには日本発の「トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)」や「ホンダ・ジャズ(フィット)」「マツダ2(デミオ)」や「スズキ・スイフト」等々の強豪がひしめく、ヨーロッパでのいわゆるBセグメント市場。そこに、新しいアプローチで戦いに挑むのが、新生C3というわけだ。