素直な思いがカタチになった

さっき言ったダイレクト過ぎないハンドリングや囲まれ感の強いインテリアにせよ、悦楽的とか享楽的っていうのとはちと違っていて、禁欲的。どちらかというと速くなった分、重荷を背負っているという感じすらあり、個人的にはLFAに乗ってると“甲冑(かっちゅう)を着る”というか“鎧(よろい)をまとう”ような気分になってしまった。
エクステリアもそう。確かに低くて広くてカッコいい。でも、これ見よがしなディテールとか、押し出しの強さはあんまり無いじゃない。どちらかというと少年の夢の延長線上にあるような……。

だからつくづく思ったな。スーパーカーってのは、一部ブランドを除くと本当に会社のポリシーというか、作り手の思想が出てしまうもので、LFAにはトヨタのマジメさというか、指向性がジワジワにじみだしていると。

LFAの場合、ボディはほぼ内製で、エンジンはヤマハ担当だそうだけど、大きく見ればチームジャパン。そのスケール感が透けて見えているようだ。
おそらくLFAは、いま日本が持てる技術でカッコいいものを出そう、スゴいモノを出そう、と思っただけなのだろう。そこに妙なハッタリや思想はなく、本当に素直な思いのみがある。

逆に言うと、ナンの変哲もない大衆車を作っただけで「コレは世界一カッコイイです」とか「技術的には他に絶対負けません」と平気で言い切る欧米メーカーにそこが負けているのだ。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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