意外に少ないキャデラック

調査対象がビルボード・ホット100ということで、「やはり上位はキャデラックあたりだろう」とボクは勝手に想像していたものの、それはロールス・ロイスの半分以下にとどまった。

たしかに今日、米国でキャデラックといえば、「XT5」「エスカレード」といったクロスオーバーやSUVのイメージが強まっている。人々に「フリートウッド」「エルドラード」といったエルヴィス・プレスリーが似合うフルサイズを想起させる時代は、もはや過去のものとなったのだろう。

筆者が思うに今回の結果は、ロールス・ロイスがラグジュアリーの永遠の代名詞であり、成功者の象徴として五大陸共通のアイコンであることを物語っている。

クルマ好きの視点からいえば、ロールス・ロイスはメルセデス・ベンツやポルシェのように、同じブランド内でより広い層を狙ったモデルやバリエーションを持つことなく、ひたすらハイエンド路線を貫いてきたことも奏功している。

知名度の割に街角で見かける頻度が極端に低いことも、ロールス・ロイスのプレミアム性をブーストしているに違いない。

映画『007シリーズ』でも、たびたびロールス・ロイスは富と権力の象徴として用いられてきた。写真は、1985年の作品『美しき獲物たち』に使われた2台。右は「シルバーシャドーII」で、左は「シルバークラウドII」。後者は同映画のプロデューサー、“カービー”ブロッコリの個人所有車であった。
映画『007シリーズ』でも、たびたびロールス・ロイスは富と権力の象徴として用いられてきた。写真は、1985年の作品『美しき獲物たち』に使われた2台。右は「シルバーシャドーII」で、左は「シルバークラウドII」。後者は同映画のプロデューサー、“カービー”ブロッコリの個人所有車であった。拡大
今回の調査における、ヒット曲へのキャデラックの登場頻度は5回。写真はヘンリー・フォード博物館所蔵の1959年型。
今回の調査における、ヒット曲へのキャデラックの登場頻度は5回。写真はヘンリー・フォード博物館所蔵の1959年型。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

あなたにおすすめの記事
新着記事