「レベル2」と「レベル3」の間にそびえる壁
レベル2までは、「何があっても最後はドライバーに責任がある」ことになっています。ところがレベル3からは、「システムに責任がある」という状況が生まれます。ここが大問題です。
まず、法制度の問題があります。アウディA8のプレスリリースにも「導入には、各国における法的枠組みを明らかにし、おのおのの市場におけるシステムの適用とテストが必要となります」とあります。万一の事故のときにどのような罰則が適用されるのか? 自動車メーカーが罰金を払うのか? 開発者が裁判所に出頭するのか? 自動車のオーナーがペナルティーを受けるのか? そうした具体的な法律がないと導入できないというわけです。
次に技術的な問題もあります。「システムが責任をとる」のですから、やすやすと故障されては困ります。そのため、センサー類にも、ブレーキやステアリングなどの作動側にも2系統のシステムが構築されており、片方の系統が故障しても大丈夫な仕組みとしているのです。
さらに運転の引き継ぎの問題もあります。「システムがギブアップしたら、ドライバーが戻る」とありますが、そのための時間はどれだけ必要なのでしょうか? 「1秒以下でドライバーが運転に復帰する」のであれば、人が運転を常に監視するレベル2と変わらない=意味がないとなります。
![]() |
あなたにおすすめの記事
新着記事
-
NEW
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”(4WD/6MT)【試乗記】
2021.2.27試乗記出自や立ち位置は微妙になりつつある「トヨタGRヤリス」だが、そのスポーツモデルとしての性能が第一級であることは間違いない。前代未聞の高出力3気筒ターボエンジンや異色の4WDシステムの仕上がりを一般道で試してみた。 -
次期フラッグシップはハイブリッドに! ランボルギーニの戦略についてキーマンが語る
2021.2.26デイリーコラム環境問題にコロナウイルスの影響。スーパースポーツカーを取り巻く環境が厳しさを増すなか、ランボルギーニはどう時代を乗り越えていくのか? 「アヴェンタドール」後継モデルの情報もあわせ、日本のトップに話を聞いた。 -
第640回:個性よりもバランス グッドイヤーのミニバン専用タイヤ「エフィシェントグリップRVF02」を試す
2021.2.26エディターから一言快適性を追求したミニバン専用タイヤ「グッドイヤー・エフィシェントグリップRVF02」が登場。13インチから20インチの全40サイズが2021年3月1日に発売される。早速、クローズドコースでその実力を確かめた。 -
ランドローバー・レンジローバー イヴォークSE P250(4WD/9AT)【試乗記】
2021.2.26試乗記ランドローバーが擁するプレミアムSUV製品群の「レンジローバー」シリーズ。その中にあって最もコンパクトなモデルが「レンジローバー イヴォーク」だ。東京から雪の群馬・嬬恋へのドライブを通し、そのボディーに凝縮されたレンジローバーの魅力に触れた。 -
三菱の最新電動SUV「エクリプス クロスPHEV」「アウトランダーPHEV」の魅力に迫る
2021.2.25電気の力を多彩に活用 三菱の最新PHEVを味わう<AD>三菱自動車のプラグインハイブリッド車は電気の使い方が多彩だ。環境対応は当然として、走りの楽しさと上質さも追求。さらにクルマ自体を“電源”としても使えるようにしている。「エクリプス クロスPHEV」と「アウトランダーPHEV」、2台の最新モデルでその世界を味わってみた。 -
第695回:欧州カーシェアリングの切ない傷跡 ピニンファリーナのブルーカーにささげる言葉
2021.2.25マッキナ あらモーダ!かつて欧州におけるカーシェアの先駆けとしてパリで展開されていた「オトリブ」の車両に、イタリア・トリノで出会った大矢アキオ。「どうしてこんなところに?」と考えるうちに、同市のカーシェアを巡る意外な事実が判明したのだった。