アイスブレーキ性能を強化

このX-ICE3+の研究開発は、フランスではなく群馬県太田市にある、ミシュランの太田R&Dサイトが担当した。また、開発に伴うテストは、今回試乗会が行われた北海道の士別市で行われてきた。つまり、X-ICE3+はミシュランの日本のチームが作り上げた、日本の天候と路面に合ったスタッドレスタイヤであるのが自慢だ。

ミシュランによれば、日本において、新品時のスタッドレスタイヤに一番求められているのは氷上ブレーキ性能であるという。同社が2016年に実施したアンケートでは、80%の人がそう答えたそうだ。それに加えて、2、3年使用した後のスタッドレスタイヤに求める性能の第一もまた氷上ブレーキ性能で、73%がそう答えたそうだ。とにもかくにもアイスブレーキングなのである。

次に、今使っているスタッドレスタイヤから新しいものに交換するきっかけとしては、年数が経過したため(37%)、残り溝が減ったため(35%)、怖い思いをしたから(28%)、などという声が上がっているそうだ。X-ICE3+は、こういった調査結果を受けて開発された製品であり、「アイスで止まる安心感。永く効き続ける信頼感。」というキャッチフレーズを掲げている。

というわけで、まずは氷上ブレーキング性能の結果から報告していこう。士別のテストコース(交通科学総合研究所)にある屋内氷盤路で、「フォルクスワーゲン・ゴルフ6」にX-ICE3+の新品と、1万km走行後の摩耗品を履かせて制動テストを行った。これは20-0km/hの制動距離(車速20km/hから全制動を行い、完全停止するまで)を計測するもの。結果は、新品装着時が6.7m(4回の平均値)、摩耗品装着時が9.4m(2回の平均値)だった。

この士別のテストではX-ICE3+の計測だけにとどまり、X-ICE3との比較は行われなかった。しかし、おそらく多くの人が関心を持つのは新旧製品の制動距離の違いだろうから、後にミシュランが東京のアイススケート場で行った氷上ブレーキテスト結果を併記しておきたい。こちらのテスト車両は「トヨタ・プリウス」で、15-0km/hの制動距離が計測された。結果は、新品装着時の制動距離はX-ICE3+が7.4mで、X-ICE3は8.5m。1万km走行後の摩耗品の制動距離は順に14.6m、16.2mだった。いずれも新製品が従来品をしのぐ結果を示しており、新品同士では13%、摩耗品同士では10%ほどの改善が見られた。

屋内氷盤路で氷上ブレーキングテストを行う「フォルクスワーゲン・ゴルフ6」。屋内の気温は-8.4度で氷温は-6.4度。
屋内氷盤路で氷上ブレーキングテストを行う「フォルクスワーゲン・ゴルフ6」。屋内の気温は-8.4度で氷温は-6.4度。拡大
制動距離の計測は、車両の後部に“第5輪”を装着して行った。
制動距離の計測は、車両の後部に“第5輪”を装着して行った。拡大
新コンパウンド「表面再生ゴム」と「Mチップ」のイメージ。
新コンパウンド「表面再生ゴム」と「Mチップ」のイメージ。拡大
東京のアイススケート場で「X-ICE3+」の制動テストを行う「トヨタ・プリウス」。この時の室内温度は約5度で、氷温は約-1度。(写真=webCG)
東京のアイススケート場で「X-ICE3+」の制動テストを行う「トヨタ・プリウス」。この時の室内温度は約5度で、氷温は約-1度。(写真=webCG)拡大
「X-ICE3+」は日本で研究開発され、日本でテストされたスタッドレスタイヤ。生産は中国で行われ、日本と中国で販売されるという。
「X-ICE3+」は日本で研究開発され、日本でテストされたスタッドレスタイヤ。生産は中国で行われ、日本と中国で販売されるという。拡大
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