メディアも反応した中国フィーバー

一方で今回、ヨーロッパ各国の報道機関、それも一般メディアがこぞって報じたのは、中国系自動車メーカーの活気だった。

最も脚光を浴びていたのは初出展の「WEY(ウェイ)」である。WEYは本エッセイ第499回の上海ショー2017でも触れたとおり、長城汽車の新プレミアムブランドである。ファウンダーこそ中国のジャック・ウェイだが、デザインディレクターはアルファ・ロメオ/BMW出身者、CEOのイェンス・シュタイングレーバーは元アウディ幹部と、ヨーロッパ系メーカー出身者で固められている。

今回WEYのスター的存在である「XEV」は、プラグインハイブリッドのSUVコンセプトである。その十分にアグレッシブかつアバンギャルドなデザインは、かなり関係者の関心を引いていた。

奇瑞は、1.5および1.6リッターのSUV「エクシードTX」を世界初公開した。ハイブリッド、プラグインハイブリッド、そしてピュアEVからなる3種の仕様で欧州市場に挑む。まずは数年以内の英国進出を視野に入れているという。

香港に本社、中国南東部に工場を持つ「サンダーパワー」も参加した。この企業が展開しようとしているのは、ピュアEVである。前回の2015年に初出展した際の目玉はザガートデザインによるセダンだったが、今回はミラノにある自社のR&D拠点が開発したSUVを公開した。

メーカーによれば、ドイツのエンジニアリングによるスペースフレームをベースに、アルミや高張力鋼が多用される。当初の生産は中国南東部で行われるとのことだが、サンダーパワーのウェレン・シャムCEOはスペインのカタルーニャ州政府と、現地生産に関する調印をすでに終えている。

WEYのコンセプトカー「XEV」。
WEYのコンセプトカー「XEV」。拡大
「WEY XEV」はプラグインハイブリッドのSUVコンセプト。
「WEY XEV」はプラグインハイブリッドのSUVコンセプト。拡大
WEYのシンボルマークとロゴマーク。新興ブランドながら、高級な印象を受ける人は多いと思われる。
WEYのシンボルマークとロゴマーク。新興ブランドながら、高級な印象を受ける人は多いと思われる。拡大
奇瑞が公開したSUV「エクシードTX」。同社は中国・百度(バイドゥー)系企業とともに、車載AIの開発を推進している。
奇瑞が公開したSUV「エクシードTX」。同社は中国・百度(バイドゥー)系企業とともに、車載AIの開発を推進している。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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