一流マフラー職人、岡田ピー

それは、確かに素晴らしいデキだった。

「ダラララララ~~~~」という、私好みのワイルドなビートを奏でながら、以前のMSレーシングより若干エレガントであり、かつ高回転域での「カアァァァァーン!」という高音の伸びは上。しかもバルブ切り替え付き! つまりサイレントモードにすれば、夜の住宅街でもまぁOKという社会性も持っている。

私「岡田ピー、これは素晴らしいよ!」

岡田ピー「ありがとうございます!」

私「これ、どうやって設計したの?」

岡田ピー「いや~、頭ン中で『こうこうこうして、こうやってみよーかな』って考えまして、エイヤで作って装着してみたら、こんな感じでした」

私「えっ! つまりテキトーに作ったら一発でコレだったわけ?」

岡田ピー「清水さんも人聞きが悪いな~。テキトーじゃないですよ! 一生懸命作ったんです!」

私「でもテキトーに作ったらいい音がしたんでしょ」

岡田ピー「ええ、まぁ」

私は感動した。まるで喜多師匠そのまんまじゃないか!

あの岡田ピーが、いつの間にか一流のマフラー職人になっていた……。

道具は喜多師匠から譲り受けた超年代物(推定40年経過)で、設計も師匠譲りの脳内妄想、それをマジックで手書きしてブッタ切って溶接するという、運慶・快慶並みの豪放磊落(らいらく)さ。そんなんでコレを一発でものにするとは!

“赤い玉号”試乗中。マフラーのデキの良さに感激する筆者。
“赤い玉号”試乗中。マフラーのデキの良さに感激する筆者。拡大
快音マフラーはこの雑然とした空間で作られていたのだ!
快音マフラーはこの雑然とした空間で作られていたのだ!拡大
“赤い玉号”にもついにキダスペシャルが装着された。
“赤い玉号”にもついにキダスペシャルが装着された。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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