“いい音”が走行安全に寄与する

多くの自動車メーカーのリサーチでは、自動運転の車中で何をするか? という問いに対するユーザーの答えとして、大勢を占めるのは仕事・睡眠・余暇という3項目だという。このうち、余暇について多くの人が望むのは音楽や映像を楽しむ環境の充実ではないだろうか。

そもそもJBLブランドの創業70周年を記念したイベントの前日を利用して足を運んだのはデトロイト。ここには今や世界最大のオーディオブランド集合体となったハーマン・インターナショナルのオートモーティブ部門が研究・開発を行う最大拠点がある。

ハーマンのオートモーティブ部門が扱うのはインフォテインメントのOEM製品が中心だ。車載用のプレミアムオーディオとしてハーマンカードンをメルセデス・ベンツやBMWなどに、JBLをトヨタやフェラーリに、そしてマークレビンソンをレクサスに……とシステム供給するだけでなく、近年は欧州系を中心とした多くのメーカーにヘッドユニットの供給も行っている。この分野では有数、特にプレミアムオーディオの世界ではナンバーワンのシェアといっても過言ではないだろう。

来るべき自動運転社会を見据えた時に、ハーマンが培ってきた車載音響の技術が「余暇」の側に大きく貢献することになることは容易に察せられる。パワートレインの電動化も歩みを並べており、自動運転の速度制御とEVの出力特性との相性は優れているとあらば、その無音空間の中でオーディオくらいは奮発するかという新しいニーズも生まれるだろう。

が、ハーマンが見据える近未来像は単にいい音を鳴らすだけではなく、培われてきた音響技術と車両の側にインタラクティブな関係を築くことにより、走行の安全や安心に寄与する……というものだ。そのための開発はすでに進められており、一部のモデルには実装も始まっている。

ハーマンは同社のテクノロジーの粋を集めた「ハーマンサミット」という車載オーディオシステムを提案している。
ハーマンは同社のテクノロジーの粋を集めた「ハーマンサミット」という車載オーディオシステムを提案している。拡大
インディビジュアル・サウンド・ゾーン(ISZ)は“音のパーティション”によって席間を区切る技術。
インディビジュアル・サウンド・ゾーン(ISZ)は“音のパーティション”によって席間を区切る技術。拡大
ハーマンサミットオーディオシステムには合計で76個ものスピーカーが使用されているという。
ハーマンサミットオーディオシステムには合計で76個ものスピーカーが使用されているという。拡大
個々のシートのヘッドレストには専用のスピーカーが装着されている。
個々のシートのヘッドレストには専用のスピーカーが装着されている。拡大
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