実際のフィーリングに期待

反面、往年のZ1らしさは薄れてしまう。だが、カワサキには強い味方がいた。カスタムマシンのビルダーたちだ。Zは現在でも大変な人気で、パーツ開発をしているショップ、メーカーが、日本にはいくつもある。技術力は高く設備も整っていて、Zを誰よりも知り尽くしている。

カワサキはモーターショーにあわせ、事前にZ900RSをこういったショップ、パーツメーカーに渡してカスタムマシンを作らせていた。今、これらカスタムマシンの写真がスタンダードのZ900RSの話題を超えてしまいそうな勢いでSNSの中、拡散され続けている。

カワサキの作戦は当たった。しかし問題はこれからだ。水冷エンジンは「さまざまなチューニングを施され、迫力ある排気音や低速から力強い走りを実現している」とある。しかし、そのあたりが国産メーカーの最も苦手な部分。そんなうたい文句で登場しながら、実際に乗ってみたらまったく感じられるものがなかった、などというバイクは山ほどある。

ここ最近登場したトライアンフ、BMW、モト・グッツィなど輸入車勢はどれもエンジンのフィーリングが極めつけにいい。「新しいバイクはどうも味がなくて」なんて思って乗るとビックリするくらい面白い。ホンダの「CB1100EX」や「RS」も乗ってみると実に味わい深いエンジンフィーリングや排気音、ハンドリングになっている。つまり、ここ最近、バイクはそういうフィーリングの部分が一気に進化しているのだ。カスタムで外観はいくらでも変えることはできるけれど、根本的なエンジンのフィーリングやハンドリングを変えることは難しい。

果たしてZ900RSがこの部分でどの程度、ライダーの心に響くバイクになっているのか、そこが最も気になる点である。

(文=後藤 武/写真=webCG/編集=関 顕也)

モーターショーでは、「Z900RS」のカスタマイズモデルもいくつか展示された。写真はモトコルセが手がけたもので、オーリンズ製の倒立フロントフォークやカーボンパーツ、レザーシートなどがおごられている。
モーターショーでは、「Z900RS」のカスタマイズモデルもいくつか展示された。写真はモトコルセが手がけたもので、オーリンズ製の倒立フロントフォークやカーボンパーツ、レザーシートなどがおごられている。拡大
こちらはドレミコレクションがカスタマイズしたもの。ライムグリーンのカラーリングが目を引く。
こちらはドレミコレクションがカスタマイズしたもの。ライムグリーンのカラーリングが目を引く。拡大
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