来場者は減った。それがどうした?

今回のショーは、2回ある週末のうち、初回が台風にたたられた。そのこともあって、最終的な来場者数は77万1200人。来場150万人を誇ったバブル期どころか、前回の81万人にも届かず、という結果に終わっている。実際に予算縮小もあるのだろう。きらびやかなショー仕立ても減った。2年に一度の日本自動車業界のお祭りと考えれば、少々寂しいものであったのも確かである。

しかし、ある意味それも仕方ないと思う。なんといっても新車販売台数は減っているし、昔よりも若者の興味がクルマから離れているのも事実。高齢化が進み、人口も減っている。かつてとは状況が異なるのだ。それなのに、バブルのころを思い出して「あのころと比べると来場者数が減った」と嘆くのはナンセンスではないだろうか。

そもそも、一日に10万人も来場者があると、人が多すぎて展示を見るどころではない。6万~8万人が上限だ。そういう意味では、今回のショーは平均的にそれくらいの来場者数で推移していた。逆にいえば、来場者数は会期が同じであれば現状くらいで横ばいしていればよいのではなかろうか。

また、ガイドをやっていて感じたのだが、来場者の熱意は十分だった。キャンギャル目当ての「クルマなんてどうでもいい」という人は減っているのではないだろうか。歌や踊りといったエンターテインメントも減っているが、本来モーターショーはクルマを見にくるところ。クルマや技術といった展示内容そのものは、どのブースも相応に力の入ったものだった。

今回のショー、統計を見ると、15歳から39歳までの来場者が前回の42.2%から51.3%に増えている。女性も17.7%から24.1%へと増加。依然として40代以上が来場者の半数を占めるのは問題だが、若い男女が増えているのは朗報だ。もう少し、若いというか、子どもが増えてほしいものである。

いずれにせよ、状況は過去と異なる。過去の栄光をいつまでも懐かしむのではなく、新しい状況にあった新しい東京モーターショーを目指すべき。そのためには、人数ではなく、どんな人がやってきているのか? ということを重視するべきではないだろうか。

(文=鈴木ケンイチ/編集=堀田剛資)

第45回東京モーターショーの来場者数は77万1200人。前回より約5%減となった。
第45回東京モーターショーの来場者数は77万1200人。前回より約5%減となった。拡大
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)による、ガイダンス付き小学生特別見学の様子。今回のショーでは若者や女性の来場者が大きく増えたという。今後は、子どもにも積極的に東京モーターショーを見に来てほしい。
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