目指すはワンウェイ式カーシェアリング

クルマのある生活はどんなメリットをもたらすか、体感してみなければ分からない。でも大都市でクルマを所有するには、駐車場の確保などさまざまな制約がある。そこでまずは、借りてもらうことでクルマやバイクの魅力を体験し、所有したいと思ったら購入へという考え方が、最近のレンタカーやカーシェアリングには込められているようだ。

つまりEveryGo、ICカード免許証が会員証として使えること、レンタカーでありながら無人ステーションで借り出しや返却ができることを除けば、目新しいサービスではない。しかも筆者が体験したCAR2GOやパリのEVシェアリング「オートリブ」と比べると、遅れている部分もある。

決定的なのは、借りた場所とは異なる場所に返却できる「ワンウェイ式」ではなく、借りた場所に返さなければならない「ラウンドトリップ方式」になっていることだ。「通常のレンタカーでは乗り捨てができるのに、なぜ?」という気持ちになる。

移動というのは本来、異なる場所へと動くこと。借りた場所にクルマを返さなければならない方式では、例えば東京の中野から三軒茶屋に行きたいという用途には使えない。自宅や会社の近くでクルマを借りて、目的地で用事を済ませて再び戻ってくるような使い方ならいいけれど、目的地での滞在時間まで料金に加算されてしまう。

パリでは、オートリブのほかに自転車シェアリングの「ヴェリブ」もあるため、これらを地下鉄やバスと組み合わせて臨機応変な移動ができた。自分の意思で自由に移動できるのがクルマの魅力のひとつ。その魅力をよく知るメーカーだからこそ、1日も早くワンウェイ式を実現してほしい。

(文=森口将之/写真=本田技研工業、webCG/編集=関 顕也)

こちらはタイムズ24が運営するカーシェアリング「タイムズ カー プラス」の発着ステーション。ホンダの「EveryGo」と同様、借りた場所にクルマを返すラウンドトリップ方式が採用されている。
こちらはタイムズ24が運営するカーシェアリング「タイムズ カー プラス」の発着ステーション。ホンダの「EveryGo」と同様、借りた場所にクルマを返すラウンドトリップ方式が採用されている。拡大
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