NASCAR現役ドライバーがカメオ出演

タイトルとは逆に、ローガン家はアンラッキー続きなのだ。不幸の連鎖から逃れるために、彼らは一発逆転をもくろんで大金を奪取する計画を立てる。ジミーが最後に働いていた現場は、シャーロット・モーター・スピードウェイだった。地面が陥没し、炭鉱掘りの技術を生かして復旧作業に携わったのだ。彼は売店の売上金が地下に集められていることを知り、ひそかに潜り込んで金庫から金を奪おうと考えた。

シャーロット・モーター・スピードウェイは、NASCARのレースが開催される伝統あるサーキットである。埋め立て地に作られていて、本当に陥没穴ができたことがあるそうだ。ローガン兄弟が狙うのは、「コカ・コーラ600」のレース当日。ビッグイベントだけに10万人以上の観客が集まり、巨額の現金が地下に集められるはずである。

撮影は実際にシャーロット・モーター・スピードウェイで行われ、アトランタ・モーター・スピードウェイでもレースシーンを撮っている。つまり、この作品はNASCARの全面的な協力の下で作られているのだ。マシンが壁に激突したり、スピンしてコースアウトしたりする映像が迫力満点なのは、関係者が映画製作に理解を示したおかげだろう。犯罪の現場に使われるというのに、喜んで便宜を図るのは大した度量だ。ただし、現金が輸送管の中を空気によって運ばれるという映画の設定は、実際のシステムとは違うということだ。

NASCARの現役ドライバーも映画の中に登場している。警備員や警官などの役でカメオ出演しているというので、NASCARファンは探してみるといいだろう。

(C)2017 Incarcerated Industries Inc. All Rights Reserved.
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第159回:サーキットの地下で不運な男たちが現金を狙う『ローガン・ラッキー』の画像拡大
鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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