使い勝手もドライバビリティーも文句なし

インテリアをシンプルだと思わせる要因は、物理スイッチを極力減らした操作系にあるのだが、やみくもにその数を減らしたのではない。ステアリングまわりのコントローラーやドライブモードセレクターなどは、あえてクリック感のあるスイッチ式とするなど、メリハリがある。デザインを優先させればすべてをフラットパネルで覆い、スッキリとした未来的なインパネを作りたくなるところだろう。実用に即した配慮は、クルマを運転しながら操作することを考えれば実にありがたい。内装については、クオリティーも操作性も、ドイツものにも一歩もひけを取らない。

バイワイヤ式の軽いタッチのシフトレバーを操作し、Dレンジに入れれば、最高出力314psを誇る3.6リッターのV6エンジンが、XT5のボディーを苦もなく流れに乗せる。重厚感あふれるボディーは、反面、先代の「SRXクロスオーバー」に比べ90kgも軽量化されており、この軽さも走りに大いに効いているのだろう。ストレスを感じるシーンは一切ない。そのフォルムを思い出せば、軽快感すら覚えるほどだ。

ハイブリッドでも流行のディーゼルでもないが、このエンジンはアクティブフューエルマネジメントシステム(気筒休止)が走行状況に合わせて自動的に6気筒と4気筒を切り替え、無駄なくスマートに燃費を向上させている。その切り替えは、XT5がいつの間にか、ドライバーに気づかれることなくやってのける。信号で止まればアイドリングストップ機能が働き、キャビンはBOSEスタジオサラウンドサウンド14スピーカーシステムが奏でる音だけに包まれる。

また、スタイリッシュなデザインを採用しつつも、実用性が高いこともXT5の美点だ。例えば荷物で両手がふさがっていても、リアゲートを開けることは簡単。キーを身につけていれば、リアバンパー下で足を蹴る動作を行うだけでリアゲートが開き、カーゴスペースにアクセスできる(プラチナムのみ)。リアシートは40:20:40の分割可倒式。スキーの板も大型テレビも、さまざまなシートアレンジによって収納可能だ。

シートまわりでは、センターコンソールボックスやドアポケット、そしてシフトレバー下にも収納スペースを配置。大型化するスマホの置き場所にさえ困るラグジュアリーモデルが少なくない今、しかもデザインにこだわりまくったインテリアとくれば多くは望めないのが常だ。XT5の、こうした使う身になって考えられた設計は、地味ではあるがオーナーにとってはうれしいものである。

(文=櫻井健一/写真=荒川正幸)

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トルクフルな3.6リッターV6エンジンとトルコン式8段ATの組み合わせは、ストップ&ゴーの多い街中の移動でも威力を発揮。加速はスムーズで力強く、一切、痛痒(つうよう)を感じることはない。
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「XT5クロスオーバー」では、インフォテインメントや空調、オーディオなど、さまざまな機能の操作をタッチスクリーンに統合。ただし、実用性に配慮して、頻繁に使う音量調整のコントローラーや、エアコンの操作パネルなどはダッシュボード上に個別に残されている。
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充実した装備も「XT5クロスオーバー」の魅力。写真のパノラマサンルーフやBOSEのアクティブノイズキャンセレーション機能は全車に、BOSEスタジオサラウンドサウンド14スピーカーシステムは「プラチナム」に標準で装備される。
充実した装備も「XT5クロスオーバー」の魅力。写真のパノラマサンルーフやBOSEのアクティブノイズキャンセレーション機能は全車に、BOSEスタジオサラウンドサウンド14スピーカーシステムは「プラチナム」に標準で装備される。拡大
ラゲッジルームは、広さやシートアレンジの豊富さだけでなく、実用性についても配慮。荷物を固定するカーゴフェンスやトノカバーが装備されるほか、十分な容量の床下収納スペースも設けられている。
ラゲッジルームは、広さやシートアレンジの豊富さだけでなく、実用性についても配慮。荷物を固定するカーゴフェンスやトノカバーが装備されるほか、十分な容量の床下収納スペースも設けられている。拡大
本文で紹介した装備のほかにも、「プラチナム」にはリアカメラミラーやサラウンドビジョン(自車をふかんしたような映像を表示する)機能付きのマルチビューカメラなどが搭載されており、狭い場所での取り回しでも、不安を覚えることはなかった。
本文で紹介した装備のほかにも、「プラチナム」にはリアカメラミラーやサラウンドビジョン(自車をふかんしたような映像を表示する)機能付きのマルチビューカメラなどが搭載されており、狭い場所での取り回しでも、不安を覚えることはなかった。拡大