他の素材にはないアルカンターラの強み

ボラーニョ氏の言う「レクサスカフェ」とは、恐らく東京・青山の「INTERSECT BY LEXUS(インターセクト バイ レクサス)」のことだろう。施設内にはコーヒーバーやライブラリーラウンジ、ライフスタイルアイテムのショップなどが設けられているものの、クルマの展示はクレイモデルやショーカーのみ。ブランド体験と情報発信のみに特化した「クルマを売らないショールーム」として、オープン時に取材したことがある。

意外にも日本に通じているボラーニョ氏に驚きつつ「知っています」と答えたところ、氏はこう続けた。
「私たちに限った話ではありません。メーカーがライフスタイルをも提案していくというのは、ブランド戦略というより、すでに世界的な潮流なのです。ほかの産業でも、プロダクトだけのビジネスからそうした分野へと皆エクスパンドしている。アルカンターラも素材メーカーではあるのですが、これからはライフスタイルやファッションの分野でも訴求していきたいと考えています」

とはいえ、今後アルカンターラが個人向けの商品を大々的にリリースするというわけではない。ライフスタイルやファッションの分野におけるブランドの確立は、先に述べたような他ブランドとのコラボレーションによってなされるわけで、つまりは他の企業からコラボの相手として選ばれなければ話にならない。

「そこで強みとなるのが、アルカンターラという素材のバーサティリティーです」

ここで言うバーサティリティー(versatility)とは、多機能性とでも意訳すればいいのだろうか。資料によるとアルカンターラのカラーバリエーションは“無限”で、表面処理もエンボス、レーザーカット、プリント、パーフォレーション、ラミネート、エレクトロウェルダリング、電気やヒートモールディングなどが可能。厚みは4種類から選択可能で、難燃性やはっ水性、抗菌性にも優れるという。

「バーサティリティーがあるから、アルカンターラはさまざまなプロダクトのさまざまな場所に使えます。さまざまな使い方を提案できることこそ、アルカンターラの強みなのです」

東京・青山の「INTERSECT BY LEXUS」。レクサスの情報発信拠点として、2013年8月末にオープンした。
東京・青山の「INTERSECT BY LEXUS」。レクサスの情報発信拠点として、2013年8月末にオープンした。拡大
自動車のインテリア以外にも、アルカンターラはさまざまなプロダクトに使用されている。写真はマイクロソフトの「Surface Pro Signature」。タイプカバーにアルカンターラが用いられている。
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他の素材には見られない、カスタマイズに対する柔軟性もアルカンターラの特徴。量産プロダクトはもちろん、プライベートジェットやヨットのインテリアにも使用される。
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メディアの個別インタビューに応じるボラーニョ氏。
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