ファンタジーあふれる欧州寿司

実はそうした寿司については、もうひとつ楽しみがある。商品のネーミングだ。今回は、過去4年にわたり筆者が撮りためたオモシロ商品名を一挙公開しよう。

まず写真1はイタリアにて、「TARO」は現財務大臣、「REN」とは野党前代表から着想を得たものだろうか。「KENTA」にあたる議員もいたことからして、日本の政界に詳しい人物による命名かと想像してしまう。

個人的には、写真2の「AKI」を発見したときは“自分仕様”のようでうれしかったものだ。

写真3は2016年のジュネーブモーターショー取材の折、駅構内のスーパー「ミグロ」で購入した「YAYOI」である。これだけボリュームにとぼしく、またACTIONと書かれたセール品でありながら、邦貨にして約1300円。日本からすると「とほほ」であるが、やたら物価が高いこのレマン湖畔の街においては、買い得に感じられるから怖い。

このようにあまりに高額なときは、1パックを女房と2人で分けたりするものだから、一段と悲しくなってくる。

とはいうものの、いずれの商品も、昨今日本で流行の「キラキラネーム」ではなく、スタンダードな名前である点には注目したい。

そのジュネーブでは2017年、「SUZUKA」も発見した(次章参照)。この時は店頭に無かったが、姉妹品に「FUJI」もあるから、経営陣に自動車ファンが存在しているのは間違いないだろう。

最後は、2017年9月のフランクフルトモーターショー取材で同市内に赴いたときのものである。この流通チェーンに納めているMATSUというブランドは、「HAYATO」のほか、「MIYU」「MAMIKO」「MISAKI」「YUMI」「HINATA」そして「HONOKA」と、妙に女性名が充実している。加えて「HARUKI」まである。いやはや、ノーベル賞より前に寿司の名前になるとは。

写真1:イタリアにて。日本の政界を想像させる「TARO」「REN」そして「KENTA」。
写真1:イタリアにて。日本の政界を想像させる「TARO」「REN」そして「KENTA」。拡大
写真2:これもイタリアで見つけたパック。「寿司ミックス AKI」。
写真2:これもイタリアで見つけたパック。「寿司ミックス AKI」。拡大
写真3:ジュネーブで食べた「YAYOI」。これで1300円とは泣けてくる。
写真3:ジュネーブで食べた「YAYOI」。これで1300円とは泣けてくる。拡大
江戸時代の“画狂老人”をイメージしたか、「KATSUSHIKA」も発見。しかし木陰にいる人物は葛飾柴又出身の“寅さん”にも見えてくる。パリにて。
江戸時代の“画狂老人”をイメージしたか、「KATSUSHIKA」も発見。しかし木陰にいる人物は葛飾柴又出身の“寅さん”にも見えてくる。パリにて。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住21年と脈絡なき人生を歩んできたものの、おかげで妙に顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして執筆活動に携わると共に、NHKラジオフランス語テキストでも活躍中。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』レギュラーリポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも奮闘している。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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