プライスタグにも歴史は宿る

まったりと風情たっぷりな下道ドライブを堪能すること30分、路肩でひと休憩しつつ、ついでにスペックシートでクルマの詳細をおさらい。ふむふむ、車両そのものは645万8400円ですか。思い切ったものですね、GMJも。

正直、「アメ車となると真っ先にコスパの話」という安直なリポートはあんまり好きではないのだが、それでもやはり、このクルマを語る上ではそれに触れないわけにはいかないでしょう。だって奥さん、650万円ですもの。絶対的には安くはないけど、他にこのお値段で買える“450ps”が日本にありまして?

“生粋のスポーツカーを除く”という、厳密な意味での「マッスルカー」という言葉の語源には諸説あるけど、その始まりが「ポンティアックGTO」に代表される1960年代のスペシャリティーカーだったことは間違いない。雑な説明で恐縮だが、安価なインターミディエイトやコンパクトのボディーに強力なエンジンを押し込んで、若者でも走りを楽しめるクルマに仕立てたのだ。その伝統は最新のカマロSSにもちゃんと受け継がれていて、コルベットのエンジンを積んでいながら、われらパンピーでも夢を見られる価格帯にどうにか踏みとどまっている。多くのメーカーが「パワー=プレミアム」という構図で利益を上げる中、「そうは言ってもウチはシボレーだし」と頑張っているのだ。クルマ好きを自負する御仁なら、ぜひこの価格設定にも歴史とロマンと心意気を感じてほしいものである。

まあ、だからこそ1000万円級のクルマにはかなわない部分もあるわけで、なかなかにかっこいいインテリアは総革張りとはいかないし、ADASもどちらかといえばシンプル。マーケ的には、オプションでもいいからACCは付けるべきだったと思う。……というのは、ギョーカイの末席を汚す者としての建前。本音を言うと「いるかよンなもん」だ。このブイハチとガスペダルさえありゃACCなんていらん。むしろMTをください。男は黙ってスティックシフト。

メーターはアナログ式の速度計とエンジン回転計に、フルカラーのインフォメーションディスプレイの組み合わせ。インフォテインメントシステムともども、細かいところまできっちり日本語対応しているところがうれしい。
メーターはアナログ式の速度計とエンジン回転計に、フルカラーのインフォメーションディスプレイの組み合わせ。インフォテインメントシステムともども、細かいところまできっちり日本語対応しているところがうれしい。拡大
“走り”のクルマらしく、メーターまわりはギミック満載。表示デザインが変えられることはもちろん、Gセンサーやラップタイマーなどの機能も用意されている。
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本文では「1000万のクルマにはかなわないけど……」と書いたが、レザーシートにメモリー機能付きの電動調整機構、ドライブモードセレクター、タッチスクリーン式のインフォテインメントシステムと、楽しいドライブに必要な装備は一通りそろっている印象。これ以上フクザツな何かが付いていたとしても、記者の手には余ります。
本文では「1000万のクルマにはかなわないけど……」と書いたが、レザーシートにメモリー機能付きの電動調整機構、ドライブモードセレクター、タッチスクリーン式のインフォテインメントシステムと、楽しいドライブに必要な装備は一通りそろっている印象。これ以上フクザツな何かが付いていたとしても、記者の手には余ります。拡大
東京・台場の街中を行く「カマロSS」。かつて辻 仁成は名曲「ZOO」において「愛をください」と歌ったわけだが、記者は今回の取材で「MTをください」と思った。(写真=webCG佐久間)
東京・台場の街中を行く「カマロSS」。かつて辻 仁成は名曲「ZOO」において「愛をください」と歌ったわけだが、記者は今回の取材で「MTをください」と思った。(写真=webCG佐久間)拡大
シボレー カマロ の中古車
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