クルマは「しゃべって乗る」時代に

日産はドライバーの脳波をセンシングして、ドライバーの運転操作にコンマ数秒先んじて意思を察知、運転操作をシステムがアシストすることで、よりドライバーのイメージに合った走りを実現する運転支援技術を発表した。これも次世代のコックピットにおける、新しいHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)の提案といえるだろう。

しかし、次世代コックピットの真打ちというべきは、音声での操作だろう。カーナビやオーディオ、ニュースなどのインフォテインメントだけでなく、エアコンの設定など、さまざまな操作をすべて声でコントロールするのだ。声での操作は、今でもある程度始まっているが、未来ではさらに、それが進化する。音声認識などの技術を備えたニュアンス社の提案は、アップル社のSiriや、Google Home、Amazon Echoなども、一括してクルマからの音声コントロールが可能になるというものであった。例えば、スマートフォンに入力しておいたスケジュールを読み上げる。声を文字にして、それをメールで送信する。自宅の家電や鍵などをクルマの中から操作する。すべて声で済ませてしまうのだ。

またニュアンス社の最新の技術を使えば、クルマに備わるシステムだけで、サーバーを介した場合と同程度の精度で音声認識ができるという。ネットでつながっていなくても高精度の音声認識ができてしまう。それだけでも驚きだ。

音響メーカーであるボーズは、そうした車内での音声認識を高める技術も提案していた。車内で、大音量で音楽やラジオを流していても、ドライバーの声だけを抽出して、電話に伝えることができるという技術だ。車内のオーディオの音は、どれだけ大きくても、車内のアンプを通して出力されている。つまり、その“アンプ経由の音”を選んで消音し、ドライバーの声だけをクリアに抽出することが可能なのだ。

ちなみにCES 2018では、Google HomeやAmazon Echoといったスマートスピーカー対応の家電たちが、新製品として非常に多く出品されていた。照明から鍵、エアコン、カメラ、オーディオなど、多彩なラインナップが文字通りに山のように置かれた。日本では、スマートスピーカーが販売されるようになって間もないが、アメリカはすっかり定着している。家の中の用事がすべて声で済ませられるなら、クルマの中も同じように声で! となるのだろう。クルマの中での操作が声で済ませる方向に向かうのも、当然のことではないだろうか。

(文と写真=鈴木ケンイチ/編集=関 顕也)

グーグルのブース内部。数多くのスマート家電が展示されていた。
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Google Homeを使うときの合言葉は「Hey Google」!
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最新の音声認識技術を披露するニュアンス社のスタッフ。ニュアンスでの呼び名は「ドラゴン・ドライブ」だ。
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