スズキ・クロスビー ハイブリッドMZ(4WD/6AT)
筋肉質な兄貴と出掛けよう 2018.01.25 試乗記 スズキの新型車「クロスビー」がデビュー。ワゴンとSUVのクロスオーバーとうたわれるニューモデルとはいえ、第一印象はどう見てもデカい「ハスラー」だが……。試乗を通じて見えてきた“兄貴”ならではの魅力を報告する。ハスラー発売直後からあった待望論
2017年の東京モーターショーに出展されたクロスビーが、2カ月後の12月25日に市販開始。スズキはコンセプトモデルと言い張ってはいたものの、明らかに完成度の高い仕上がりだったから驚きはない。4年前にも「ハスラー」で同じようなことをしていた。兄貴分といわれるクロスビーも、モーターショーでの好評が忘れられないうちに販売するという手法を踏襲したわけだ。
ハスラーはクロスオーバーの軽自動車というジャンルを切り開いて人気となり、今も売れ続けている。SUVテイストのポップなスタイルに高い走破性も備えており、新しいユーザーを開拓した。性別と年齢を問わず幅広い層から支持されたのは納得できる。世界的な流行となっているSUVを、軽自動車の枠組みの中で提供するというのはグッドアイデアだった。
ただ、そこが不満点にもなる。軽自動車では狭すぎる、660ccでは動力性能がもの足りないと考える人は少なからずいた。ハスラー発売直後から、ディーラーには「小型車でこういうのが欲しい!」という声が寄せられていたという。企画の検討は早い段階で始められ、3年ほど前から本格的に開発が始まった。
コンパクトSUVはすっかりトレンドとなっているから、クロスビーに珍しさはない。とはいっても、このサイズ感はこれまでなかったものだ。「マツダCX-3」は全長4275mm×全幅1765mm、「ジープ・レネゲード」は4260mm×1805mmである。3760mm×1670mmのクロスビーは、これまでコンパクトSUVでも大きすぎると感じていた人でも安心だ。初代「エスクード」のショートとロングの中間なのだという。日本の道路事情では、このぐらいの大きさがありがたい。