クルマは置いて帰るのが正解

ご存じの方も多いと思うが、サマータイヤが雪に弱いのはタイヤと路面との間に水の膜ができてしまうため。水に浮いていてはグリップを利かせることができない。そのために滑るのだ。一方、スタッドレスタイヤは、そうした水を除去するための小さな溝などを採用し、さらにゴムを低温でも柔らかさを保って路面に密着しやすいものとしている。特に日本は、気温が0度前後で上下する地域が多いため、溶けた雪が凍ってアイスバーンとなり、世界でも特に厳しい路面となる。そんな状況でも普通に走れるようにと、日本のスタッドレスタイヤは進化を重ねてきた。

そういうわけで、どのような理由があろうとも、本格的に雪が降ってきたらサマータイヤのクルマはギブアップするしかない。最悪なのは、「あと少し、あと少し」とサマータイヤのまま走り続けることだ。頑張るだけ頑張って、最後は道をふさぐ格好で立ち往生。また、タイヤがグリップを失ってガードレールや他車にぶつかれば、修理費で万単位のお金が飛んでいく。本格的に雪が降ってきたらさっさと諦めて、料金のできるだけ安い駐車場にクルマを置いて、歩いて(電車で)帰るのが正解だ。どうせ東京ならば、雪は2日と続かないはず。ひと晩預けて翌日にピックアップしても、数千円の出費といったところではないだろうか。

立ち往生や衝突など、雪で痛い目にあわないとわからないというのでは、いい大人としてあまりに残念だ。雪が降ったらサマータイヤのクルマは諦める。なんとも簡単な理屈だが、これを理解できない人が多いのが不思議で仕方ない。

(文=鈴木ケンイチ/編集=藤沢 勝)

日々、取材の足として活躍するwebCG編集部の「フィアット・パンダ号」。今回の大雪の直前にオールシーズンタイヤの「グッドイヤー・ベクター4シーズンズ ハイブリッド」に履き替えており、事なきを得た。
日々、取材の足として活躍するwebCG編集部の「フィアット・パンダ号」。今回の大雪の直前にオールシーズンタイヤの「グッドイヤー・ベクター4シーズンズ ハイブリッド」に履き替えており、事なきを得た。拡大
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