保護主義的な政策で国内企業を優遇

2016年の統計によると、中国はEVの世界販売の半分以上を占める存在となっており、2017年も圧倒的な市場規模であることは間違いない。ちなみに日本のEVの販売台数は、2017年に約1万7000台、PHVは約3万9000台で、合計でも約5万6000台と、中国の10分の1にも満たない。中国はこれまで補助金という「アメ」をテコにNEVの普及を図ってきたが、2019年以降はNEVの販売を義務付ける「ムチ」の政策に転換することになる。

中国がNEVの普及を目指すのは、北京や上海のような大都市における深刻な大気汚染への対策という側面もあるが、より長期的な狙いとしては、自国の自動車産業の競争力を高めることにあると見られている。習近平総書記は2017年10月の共産党大会で、建国100周年にあたる2049年を目標に、「社会主義現代化強国」を建設すると宣言した。「強国」の裏付けとなる経済力を高めるために、戦略的に強化する産業分野を定めており、EVもAI(人工知能)と並ぶ柱の一つと位置付けられている。エンジン車で日米欧に追いつくのは困難だが、歴史の浅いEVなら勝機があると見たわけだ。

とはいえ、まだ技術の蓄積が浅い現在、まともに海外企業との競争にさらされては勝ち目がない。このためNEVの普及では、国内企業を優遇する政策を採っている。NEVの補助金の対象となるEVやPHVは、中央政府の認定したメーカーのバッテリーを積むことが義務付けられているのだが、この中国の認定を得ているのは現在のところ、中国の現地メーカーに限られているのだ。このため、例えば日産自動車のEV「リーフ」などもNEVの対象にならない。

2018~2019年の中国市場導入が予定されている電気自動車「日産リーフ」も、現状のままではNEVの対象とはならない。
2018~2019年の中国市場導入が予定されている電気自動車「日産リーフ」も、現状のままではNEVの対象とはならない。拡大
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