日系メーカーを悩ませるバッテリー戦略

一方で、中国政府は現地企業の技術発展を図る目的で、これまで2社しか認めていなかった海外企業による自動車の製造販売合弁会社の設立について、3社目の設立を認める方針を打ち出した。さらにNEVに限っては、世界の大手完成車メーカーによる現地生産を加速させるため、現在は必須である中国企業との合弁を組まなくても現地生産できる方向で検討していることも明らかにした。とはいえ、そこで生産されるEVにも中国メーカー製バッテリーを積むことが事実上義務付けられるはずだ。海外の完成車メーカーとの取引を通じて中国バッテリーメーカーの生産量の拡大や技術力の向上を図る狙いがあると見られる。

中国国内で自動車販売を続ける以上、NEVの製造・販売は不可避なため、トヨタ自動車は2018年にPHVの現地生産を始める方針を明らかにしたほか、日産自動車、ホンダといった日本の完成車メーカーも2018年以降に廉価なEVを発売する方針を打ち出している。これらのEVやPHVがNEVとして認定されるためには、現地バッテリーメーカーからバッテリーを購入する必要がある。このため、日本の完成車メーカーは、性能要件を満たすバッテリーの調達先を見つけるのに苦労している状況だ。現在はバッテリーやモーターの技術で優位にある日本メーカーだが、圧倒的な市場規模を背景に猛追する中国メーカーの勢いは決して侮れない。

(文=鶴原吉郎<オートインサイト>/編集=堀田剛資)

リチウムイオンバッテリー用のラミネート型セル。中国でNEVを販売するためには、中国製のバッテリーを搭載することが義務付けられる。
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