スズキ・クロスビー ハイブリッドMZ(4WD/6AT)
FFか4WDか それが問題だ 2018.02.26 試乗記 スズキが誇る“ちっちゃなヨンク3兄弟”の最新モデル「クロスビー」。5ナンバーサイズに余裕でおさまる小柄なボディーと、ワゴン的にも使えるユーティリティーが自慢のコンパクトSUVは、実はマイカーとするうえで非常に悩ましい問題(?)を抱えていた。雪を見ればヨンクを思ふ
全国各地で記録的な大雪に見舞われている今冬は、東京でも数年ぶりに本格的な積雪があった。こういうときに“ヨンク”がほしくなるのは人情である。この場合のヨンクは単純に四輪駆動という機構を指すだけではなく、今風の言葉でいうSUVという意味も含む。
さらに、積雪路では地上高もできるだけたっぷりと余裕あるタイプが好ましい。クロスビーの最低地上高は180mm。地上高についてはいろんな意見があろうが、クロスビーの地上高は同じスズキの非SUV系乗用車のそれより40~60mm大きい。つまり「雪道や悪路でもそこそこ使える」といっていい……それなりに本格的なレベルにある。
クロスビーの元ネタである「ハスラー」や「ダイハツ・キャスト アクティバ」といった軽自動車をのぞいた現行の白ナンバー登録車では、クロスビーは3番目に小さいSUVである。現役最小SUVは軽のジムニーのエンジンとフェンダーだけを拡大した「ジムニーシエラ」であり、その次がクロスビーと同じAプラットフォームを使う「イグニス」だから、3番手のクロスビーも含めると“国産SUVスモールスリー”をスズキが独占しているわけだ。
ちなみに、その次に小さい「日産ジューク」はクロスビーより一気に375mmも長くなって全長は4mを軽くオーバーし、さらに全幅も1.7mを超えた1765mm。つまり、今の日本で5ナンバー枠におさまるSUVも、スズキのスモールスリーだけなのだ。
急なドカ雪となると、路肩に雪壁ができたりもするから、たっぷりとした地上高に加えて、車体は小さいに越したことはない。その意味でもスズキの“スモールスリー”は今冬の空気感にドンピシャの存在であり、クロスビーは今この瞬間に「家にあったら便利で頼もしいだろうな」と素直に思える一台である。
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