ベーシックではなくスタンダード
アルファ・ロメオ・ジュリア スーパー……543万円

ラインナップの頂点には、とびきり高性能な510psの「ジュリア クアドリフォリオ」が鎮座ましましている。そのせいで、他のジュリアが退屈そうに見えたとしても、それはもう、仕方のないことである。クオーレスポルティーバ(スポーツ心)が色濃く宿っていればいるほど、「らしい」「いいね」と言われるのが、アルファ・ロメオというブランドの、今の文脈なのだから。

だからこそ、実質上、ラインナップのベースを担う「ジュリア スーパー」に乗ってみたわけである。素性の良しあし、そして作り手の誠意みたいなものは、ベースグレードにこそ強くにじむと思うからだ。

エンジンは200psの2リッター直4で、車重は1590kg。そう聞いて、何となくかつての「ツインスパーク」を想像しながら走りだした。しかし、あれとは風合いがちょっと違っていた。エンジンを回し気味にして前のめりで走らせるのがツインスパークなら、こちらは今どきのターボエンジンらしく、2000rpmも回せば頼りがいのある実用トルクが、さらりと出てくる。しかも、思いのほか速い。

ロック・トゥ・ロックで2.4回転しか回らないステアリングは、あいかわらずキレッキレで、操舵に対して過敏なまでに反応する。調べたら、ギアレシオは11.8(!)とのことだった。クルマ全体を貫くテンポ感から外れた、突出した速さのギア比だが、まあ「らしい」といえば「らしい」。

そしてアルファ・ロメオらしいと思ったのが、素のイタリアンサルーンに共通する、軽いタッチの足まわりである。ドイツ車のようにアスファルトをつかむという印象ではなく、路面にどこかふわっと乗っかって、それでいてそう簡単にはブレイクしない、あの独特な感じがこのクルマにも生きていた。実は今回、この点にこそ、ああ、アルファだなあ、と感じ入った次第だ。

スーパーはベーシックなジュリアではない。これぞスタンダードなジュリアである。

(文=webCG 竹下/写真=峰 昌宏)

アルファ・ロメオ・ジュリア スーパー
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