細かな気配りにあふれた室内

スポーティーな乗用車のように低めの着座位置、そしてコックピット的な囲まれ感のある内装……といえばライバルで思い浮かぶのはメルセデスの「GLA」や「アウディQ2」、BMWの「X2」といったところだ。しかし同様の趣旨をもちながらUXのエクステリアは従来のSUVに近い、天地に厚くドシッとした佇(たたず)まいを感じさせるようにデザインされているという。

「内側からの機能面でこだわったのは視界ですね。車格を感覚的に把握しやすく、死角を極力削(そ)いで見通しが利く、その抜け感みたいなところを大事にしました。あと、スイッチ類やアームレスト、カップホルダーといったものが後方寄りにあると、小柄な方が前寄りのドライビングポジションを合わせた時にとても使いにくい。こういうものは極力前方に配置するように配慮しています」

男だらけの現場だと意外とざっくりしつらえられてしまうところに、細かな気配りが注がれている。加古CEは特別なことではないと思っているかもしれないが、このあたりは女性らしい視点だろう。

それにしても、低くしろ高く見せろ、おっと死角はなしで……と、これは中の方々は大変だったのではないかと尋ねれば、苦笑するデザイナーを横目に加古CEはこう言う。

「そう。私は傍らで素直に感じた矛盾をひたすら口にしてただけかもしれません。でもチームのみんながいろいろと考えてくれて、それが解決できそうなソリューションが集まってくるんですよ。うわ、できちゃうんだこんなこと……と、実は内心、びっくりしてました」

実はUXの全高は、基本アーキテクチャーを同じくする「C-HR」よりも低いという。が、実物を見る限りとてもそうは思えない。デザイナーが腐心したという強い塊に見せる、そのための技巧が隅々に行き渡っているのだろうが、結果的に他のレクサスのモデルとは微妙に一線を画するシンプルさをもっているところが興味深い。クルマ自身の力みのなさもまたCE譲りだろうか。ちなみにUXは今秋~冬の上市を予定しており、開発は最後のツメを重ねているところだという。

(文=渡辺敏史/写真=トヨタ自動車/編集=竹下元太郎)

ボディーサイズは全長4495×全幅1840×全高1520mm。全高は「トヨタC-HR」(ハイブリッド2WD:1550mm、ガソリン4WD:1565mm)より低い。
ボディーサイズは全長4495×全幅1840×全高1520mm。全高は「トヨタC-HR」(ハイブリッド2WD:1550mm、ガソリン4WD:1565mm)より低い。拡大
開発に際し、室内からの視界の良さにはこだわった。死角を可能な限りなくして、車両感覚のつかみやすさを大事にしたという。
開発に際し、室内からの視界の良さにはこだわった。死角を可能な限りなくして、車両感覚のつかみやすさを大事にしたという。拡大
スイッチ類やカップホルダーなどは、小柄なドライバーでも使いやすい場所に配置した。こういった細かな気配りは、女性らしい視点といえるかもしれない。
スイッチ類やカップホルダーなどは、小柄なドライバーでも使いやすい場所に配置した。こういった細かな気配りは、女性らしい視点といえるかもしれない。拡大
GA-Cプラットフォームの採用はデザインにも影響を及ぼしている。低重心化とタイヤの大径化により、「俊敏な走りを予感させるプロポーション」の創出が可能となった。
GA-Cプラットフォームの採用はデザインにも影響を及ぼしている。低重心化とタイヤの大径化により、「俊敏な走りを予感させるプロポーション」の創出が可能となった。拡大
ジュネーブショーのプレスカンファレンスで、流ちょうな英語でプレゼンテーションする加古エグゼクティブ・バイス・プレジデント。
ジュネーブショーのプレスカンファレンスで、流ちょうな英語でプレゼンテーションする加古エグゼクティブ・バイス・プレジデント。拡大
あなたにおすすめの記事
関連記事
  • レクサスUX200 2018.11.27 画像・写真 レクサスの最もコンパクトなクロスオーバーモデル「UX」がデビュー。そのうち新開発の2リッター直4エンジンを搭載する「UX200」の姿を、さまざまなグレードを織り交ぜながら紹介する。
  • ダイハツが「タフト」の先行予約受け付けを開始 クロスオーバータイプの新型軽乗用車 2020.4.1 自動車ニュース ダイハツが新型車「タフト」の先行予約受け付けを開始。デイリーユースにもレジャーユースにも好適なクロスオーバータイプの軽乗用車で、2020年の東京オートサロンでコンセプトカーがお披露目された。発売は2020年6月の予定となっている。
  • トヨタ・グランエースG(FR/6AT)/グランエース プレミアム(FR/6AT)【試乗記】 2020.2.11 試乗記 上級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」よりもさらに大きなワンボックス車としてデビューした「トヨタ・グランエース」。新たな市場の開拓を目指すピープルムーバーの乗り心地、そして使い勝手は?
  • レクサスUX200“バージョンL”(FF/CVT)【試乗記】 2019.2.21 試乗記 コンパクトSUVのカテゴリーは、各ブランドが精鋭を投入するまれにみる激戦区。ここにレクサスは「UX」を送り込んだ。同ブランドのSUVラインナップにおけるボトムも担当するこのニューフェイスは、ライバルとは違うどんな魅力を持っているのか?
  • レクサスUX250h“バージョンL”(4WD/CVT)【試乗記】 2019.1.30 試乗記 デザインコンシャスなコンパクトSUVと片付けられそうな「レクサスUX」だが、その本質は走りのよさにある。かつてレクサスが掲げた、実現困難ながらも高潔な志……。それを思い起こさせてくれる一台に仕上がっていた。
ホームへ戻る